中国科学院金属研究所、抗菌ステンレスの大規模生産に成功
2015年 4月22日(中国総合研究交流センター編集部)
中国科学院金属研究所の研究チームはこのほど、国内のステンレスメーカーと提携し、抗菌ステンレスの精錬・加工技術の改良を通じ、40トン規模の304型銅含有抗菌ステンレス鋼板の生産に成功した。生 産された鋼板の幅は1200ミリ。厚さはそれぞれ2.4ミリ、1.0ミリ、0.8ミリ、0.5ミリ、0.4ミリで、厚さの許容差は0.03ミリ以内。この抗菌ステンレス鋼板は、従 来のステンレス鋼板の機械的性質を持つほか、中国科学院理化技術研究所による抗菌性能検査にも合格し、優れた抗菌性能を持つ。また、有害金属イオンの放出、細胞毒性といった人体への危害の有無に関しても、中 国食品薬品検定研究院による検査の結果、国が規定する安全要求に完全に合致していることが分かった。
- 抗菌ステンレスは、既存のステンレス材料に抗菌性を持つ金属元素(銅、銀など)を加えることで、広域スペクトルを持つ持続的で高い抗菌性能を持たせたステンレスを指す。
- 工業化規模の抗菌ステンレスの試験生産成功は、中国が同材料の大規模応用・普及の基礎を築いたことを意味する。