中国の国土空間測定・運用が新たなステージに
2015年 7月30日(中国総合研究交流センター編集部)
李克強総理の認可を得て、国務院はこのほど、「全国基礎測量中長期計画綱要(2015—2030年)」に同意する返答書を通達し、2015年から2030年までの全国基礎測量の発展目標と重点任務を明確化した。
「計画綱要」によると、基礎測量は、経済建設や国防建設、社会発展のために地理情報を提供する基礎的・公益的な事業であり、経済社会の持続可能発展の重要な支えである。基礎測量の発展を加速させ、新型の基礎測量体系を形成することは、小康社会(ゆとりある社会)の全面的な完成に対して重要な意義を持っている。
「計画綱要」は、全国基礎測量の今後の取り組みについて次のように強調している。全国基礎測量の中長期事業にあたっては、大局・社会・国民生活に奉仕するという主旨を守り、「サービスの強化、管理の強化、ニーズによる牽引、科学技術による推進、統一的な計画し、協調的な発展、効率的な利用、安全の保障」を基本原則とし、政策・法規体系の整備を進め、体制・メカニズムの構築を強化し、科学技術の革新と人才育成を強化し、新型の基礎測量体系を構築し、地理情報測量サービスの能力を全面的に高め、経済社会の安定的で健全な発展に力強い支えを提供しなければならない。
「計画綱要」は、今後の計画について次のように明確化している。2020年までに、効率的で協調的な基礎測量の管理体制と運用メカニズムを構築し、基礎地理情報取得の立体化とリアルタイム化、処理の自動化とスマート化、サービスのネットワーク化と社会化を特徴とした情報化測量体系を形成し、構造と機能の整ったデジタル地理空間のフレームワークを全面的に完成させる。2030年までに、新型の基礎測量、地理や国情のモニタリング、緊急測量を核心とした整った地理情報測量サービスチェーンをほぼ形成し、経済社会の発展に多層的で全方向的なサービスを提供する能力を備える。
「計画綱要」は、2015年から2030年までの全国基礎測量発展の中長期の主要任務を次のように確定している。2020年までを中期任務とする。第一に、近代化された測量基準と衛星測量応用体系の建設。これには、中国の陸海の全国土をカバーし、水平基準点網・鉛直基準点網・重力基準点網の3網を結合した近代的な高精度測量基準体系の形成や、衛星測量サービス能力の向上などが含まれる。第二に、基礎地理情報資源の建設と更新。デジタル地理空間フレームワークや重点地区の基礎測量、グローバル地理情報資源の建設などが含まれる。第三に、インフラ建設。地理情報データ取得のための技術装備や、国家地理情報公共サービスプラットフォーム「天地図」の建設などが含まれる。第四に、地理情報公共サービス。地理情報公共サービス体系や地理国情モニタリング業務体系、緊急測量などが含まれる。第五は、地理情報測量の科学技術の革新と標準化。地理情報測量の自主革新体系と標準体系、スマート都市地理空間フレームワーク、時空情報プラットフォームの建設などが含まれる。2030年までの長期任務とする。主要任務としては、測量基準体系の近代化改良を推進し、中国の海洋国土と世界をカバーした基礎地理情報資源の取得を加速し、基礎測量の革新を引き続き推進し、衛星測量の応用チェーンと業務進行体系を構築し、基礎測量の公共サービス能力を向上させることなどが挙げられる。
「計画綱要」は、次の6つの保障措置を提出している。第一は、管理と法制の強化。第二は、計画管理の強化。第三は、投融資体制・メカニズムの整備。第四は、基礎測量の組織体系と人材チームの建設加速。第五は、情報資源の共同建設や共有の促進。第六は、「計画綱要」実施の協調と管理の強化である。
出典:http://www.gov.cn/xinwen/2015-06/06/content_2874304.htm