3Dプリンティング、従来型製造業との結合で開ける大きな将来性
2015年10月27日 中国総合研究交流センター編集部
2015年9月15日から17日、「広州国際3Dプリンティング展覧会」が広州市の中国輸出入商品交易会展示館で開催された。「広州国際鋳型展覧会」「広州国際自動車鋳型・製造技術展覧会」「 広州国際金属加工工業展覧会」「広州国際ベアリング展覧会」も同時に開催された。技術と応用との連結を通じて、3Dプリンティング技術の鋳型産業における応用発展の推進がはかられた。
ここ数年にわたる普及を経て、3Dプリンティング技術はすでに、多くの応用産業で急速な発展を実現している。中でも鋳型産業は、3Dプリンティングの最も重要な応用分野の一つとみなされている。3 Dプリンティングと従来の鋳型産業との結合には、両者の持つ強みによる相互補完性がある。新製品の開発にあたっては、初期から中期、設計確定前まで3Dプリンティング技術を活用することにより、デ ザインの柔軟性と多様性を高め、研究開発の周期をより短縮することができる。正式な生産前には、従来の工法で鋳型を製作し、製品の大量生産を可能とする。従来の工法と3Dプリンティング革新技術との結合は、鋳 型産業全体の発展を推進する積極的な意義を持っている。
写真1 3Dプリンティングギャラリー(出典:OFweek)
展示会場では、3Dプリンティングと鋳型の展示が壁を隔ててすぐの場所で行われており、来場者は、3Dプリンティング技術に高い興味を示していた。参加した3Dプリンティング関連企業は、「3D System」「Stratasys」「華曙高科」「先臨三維」などを代表とする国内外の3Dプリンターメーカーを除くと、ほとんどは国内の3Dプリンティングサービス企業だった。会場に設けられた「 3Dプリンティングギャラリー」では、各社の創意あふれる3Dプリンティング製品が展示され、記念撮影に訪れる来場者が絶えなかった。出展した企業からも、3 Dプリンティング企業の産業発展に対する自信がうかがえた。多くの出展企業によると、3Dプリンティング技術はまだ大規模には使われていないが、教育や医療などの分野では高い将来性が見込まれている。3 Dプリンティング技術と従来の鋳型産業との結合は、より多くの創意あるアイデアの実現を可能としている。
写真2 3Dプリンティング展示エリア(出典:OFweek)
付加製造技術の応用の発展を推進するため、独フランクフルトでは11月17日から20日まで、精密造形と3Dプリンティング製造に関する国際展示会「formnext」の初回展示会が開催される。開 催責任者を務めるメサゴ・メッセフランクフルトのSascha Wenzler副総裁は、「付加製造技術の出現は、製品の開発と生産の分野に巨大な発展のチャンスをもたらしている。こ の専門分野の展示会を来場者のために開催できることを喜んでいる。展示会には付加製造技術で世界的に有名な企業が参加し、その専門人員と全面的で高品質な技術と製品とを業界関係者に示す機会となる。展示会では、来 場者はさらに、工具と製造、工作機械/自動化、原材料/部品、測量技術/品質保証などの技術の最新発展の状況を知ることもできる」と語る。
このように3Dプリンティング技術と従来の製造業との結合はすでに大きな流れとなっている。3Dプリンティングは、従来の製造業の設計・開発にさらなる創意の余地と柔軟性とをもたらすものとなる。将 来的には、航空・自動車・鋳型・医療・消費電子・教育・ファッションなどの分野でさらなる発展と普及が見込まれる。製造業への世界的な回帰と転換・アップグレードの波が高まる中、3 Dプリンティング技術の展望は明るい。
本記事はOFweek(中国高科技行業門戸)より許可を得て翻訳・転載したものである。
原文:
http://3dprint.ofweek.com/2015-09/ART-132101-8120-29005519.html