第111号
トップ  > 科学技術トピック>  第111号 >  薄膜太陽光発電の温室応用

薄膜太陽光発電の温室応用

2015年12月 9日 (中国総合研究交流センター編集部)

 浙江省で最大の規模を誇り、最も多くの品目が集まるとされる農業エキスポ「2015浙江農業博覧会」がこのほど、盛大にとり行われた。複数の環境型エネルギー設備メーカーも招待され参加し、薄 膜太陽電池の農業への幅広い応用をデモンストレーションし、参加した指導者や業界関係者、観衆から高い評価を受けた。

写真1

写真1 2015浙江農業博覧会の会場

 スマートイノベーション環境型エネルギー設備メーカーの漢能の展示ホールの天井には温室の一部が取り付けられ、多くの人々がこれに目を取られていた。案内係は、同社の薄膜発電製品について丁寧に説明し、発 電モジュールの能力をその場でデモンストレーションしてみせたりした。

写真2

写真2 展示ホール天井に取り付けられた漢能の農業用軽量モジュール

 浙江省内で最大規模の農業エキスポとなった今回の博覧会は、多くの省級指導者がこれを重視し、会場に訪れた。浙江省党委員会の夏宝竜書記や王輝忠・副書記、黄旭明・副省長、省 農業庁の史済錫庁長ら指導者も展示ホールに足を運び、参観・指導した。指導者らは、薄膜発電製品の農業への応用に高い評価を与え、現代型のインテリジェント農業の道を今後も追求していくようにと奨励した。 

 展示ホールを訪れた夏宝竜書記は、「クリーンエネルギーは農業でもより多く使うべきだ。良い製品はより多く生産し、より多く使用するようにしよう」と呼びかけた。

 王輝忠・副書記も展示ホールを参観し、「現代の農業経営の体制や仕組みの革新に努め、農業の産業化経営をスピードアップし、農業の生産経営の専門化・機械化・知能化の水準を高め、『効率産出、安全産品、資 源節約、環境友好』という発展の新たな道を歩んでいこう」と強調した。

 漢能をはじめとする環境型エネルギー設備メーカーは現在、農業分野での応用・開発を進めている。例えば漢能は浙江麗水では、発電容量2.15kWの農業温室プロジェクトをすでに竣工させている。送 電網連結後の年間発電総量は2800kWhに達する見込みだ。環境型エネルギーでインテリジェントな灌漑を行えば、環境により良い果物や野菜、より透明な川水、より青い空を取り戻すことができるはずだ。

 漢能の薄膜発電技術は、温室や畜産設備の屋根、漁業と太陽光発電の組み合わせ、牧畜業と太陽光発電の組み合わせなど多くの農業分野で幅広く応用できる。温室に応用される漢能の薄膜発電ボードは、赤 色光や赤外線を通し、通した光も均等で、温室内の作物の生長に影響が出ない。農業温室を覆っている一般素材とほぼ同じ重量で、温室とぴったり組み合わせることができ、保温や日除け、発電収入などが可能となる。ま た薄膜発電ボードは、ガラスとポリカーボネート、プラスチックフィルムに継ぐ第4の農業施設材料とされ、太陽光発電や省エネ・排出削減、土地節約、農業増産、農 民増収という新たな産業局面の形成に向けた素材として、農業用温室施設に新たな産業革命をもたらすものと期待されている。


本記事はOFweek(中国高科技行業門戸)より許可を得て翻訳・転載したものである。
原文: http://solar.ofweek.com/2015-11/ART-260019-8120-29033131.html