国土資源部、2015年全国地質災害状況を発表
2016年 2月29日
国土資源部地質環境司(地質災害応急管理弁公室)によると、2015年に全国で発生した地質災害は計8224件であり、死者は229人、行方不明者は58人、負傷者は138人をそれぞれ記録し、直接的な経済損失は24億9千万元に達した。2014年と比べると、2015年は地質災害の発生件数と死者・行方不明者、直接経済損失がいずれも減少し、それぞれ24.6%減、28.3%減、54.0%減だった。また2015年に全国で予測に成功した地質災害は452件で、2万465人の死傷者と5億元の直接経済損失が回避された。
2015年:全国28省で災害発生―そのほとんどは小型災害
同司の紹介によると、2015年に発生した8224件の地質災害のうち、そのほとんどを小型地質災害が占めた。
昨年の特大地質災害は18件で、死者は72人、行方不明者は56人、負傷者は9人、直接経済損失は9億元だった。大型地質災害は26件で、死者は22人、行方不明者は15人、直接経済損失は2億元だった。中型地質災害は257件で、死者は43人、行方不明者は1人、負傷者は21人、直接経済損失は5億5千万元だった。小型地質災害は7923件で、死者は92人、行方不明者は1人、負傷者は93人、直接経済損失は8億5千万元だった。
2015年の地質災害は比較的広い範囲に分布し、28省(自治区・直轄市含む)で発生した。そのうち華北地区は37件で、死者は7人、負傷者は4人、直接経済損失は約620万5千元だった。東北地区は26件で、直接経済損失は約134万8千元だった。華東地区は3653件で、死者は73人、行方不明者は1人、負傷者は10人、直接経済損失は約3億5千万元だった。中南地区は3234件で、死者は66人、行方不明者は1人、負傷者は73人、直接経済損失は5億8千万元だった。西南地区は1157件で、死者は68人、負傷者は44人、直接経済損失は8億9千万元だった。西北地区は117件で、死者は15人、行方不明者は56人、負傷者は7人、直接経済損失は約6億6千万元だった。
2016年:災害防止は楽観許さず 局地的に激化も
専門家の分析によると、2016年の地質災害は総じて例年並みとなる見込みだが、局地的には激化の可能性もある。春季には、西南地区と西北地区が災害防止の重点となる。増水期には、地質災害が大量に発生するとみられ、南方のほとんどの地区、とりわけ西南・中南・東南の沿岸地区と西北の一部地区は依然として地質災害の発生と危害の重点防止地区となる。秋冬季には、山間部の工事活動や西南地区の降雨・雪解けによって引き起こされる地質災害の防止への注意が求められる。
専門家:日常的な防災強化と強雨災害の防止を
国土資源部地質環境司の担当者は、各地方・各部門は2016年の地質災害防止事業の全面配置をただちに行い、地質災害防止の責任制を実施し、任務の明確さと責任の所在を確保しなければならないと指摘している。
第一に、地質災害防止の責任制をしっかりと実施し、根源からの予防を強化する。地方政府の地質災害防止の主体としての責任を明確化し、関連部門の事業責任と建設会社の主体責任を現実化し、国土資源部門は主に、組織・協調・指導・監督の責任を負う。第二に、リスクの逐一検査をしっかりと行う。全面的で立ち入った、日常的な地質災害リスク検査の実施は、重大な損失を回避できるかのカギとなる。増水前の検査、増水中のパトロール、増水後の再検査をしっかりと行う必要がある。第三に、応急措置とリスク回避をしっかりと行う。地質災害リスクの存在する地方では、大衆を動員したモニタリングと防止の体系を構築し、緊急マニュアルを制定し、地質災害に備える「明白カード」を発給し、応急演習を強化する。長距離地すべりや土石流などの地質災害を特に重視する。
このほか応急当番や専門家駐屯もしっかりと行い、意思疎通や協調、監督検査を強化する必要もある。
出典:国土資源部《国土资源部公布2015年全国地质灾害情况》
http://www.mlr.gov.cn/xwdt/jrxw/201601/t20160107_1394203.htm