「四衆」プラットフォーム、中国の「互聯網+(インターネットプラス)」時代の新たな見どころ
2016年 3月11日 楊迅(人民日報)
第12期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が3月5日午前に開幕し、中国国務院の李克強総理が政府活動報告を行った。李総理は報告の中で、「衆創(ソーシャルイノベーション)、衆包(クラウドソーシング)、衆扶(公益機関や企業による小規模・零細企業・ベンチャー向け支援)、衆籌(クラウドファンディング)の四衆プラットフォームを打ち立て、企業、大学、研究機関、起業家の各方面が協力する新しい起業・イノベーション体制を構築する」と表明した。この「四衆」が今、注目を集めている。人民日報が伝えた。
インターネットをベースとした起業・イノベーションが急成長する中、「四衆」は短い文字に凝縮されているが、そこに含まれる内容は非常に豊富だ。「衆創」とは、起業・イノベーションサービスプラットフォームを通じて、社会全体の様々なイノベーション資源を集めることを指す。「衆籌」とは、インターネットを通じて社会から資金を集めることを指す。「衆包」とは、インターネットなどを通じてこれまで特定の企業や機関が担当していた仕事を、自主的に参加するすべての企業と個人が分担することを指す。「衆扶」とは、政府や公益機関、企業の援助、個人の相互支援といった様々な形を通じて小規模・零細企業やベンチャー企業の成長を助けることを指す。
国務院が2015年9月に通達した「大衆による起業・革新の支援プラットフォーム構築の加速に関する指導意見」の中で、「四衆」プラットフォームの建設に関する一連の具体的措置が打ち出された。この中で、大衆の知恵でイノベーションを実現し、大衆の力で雇用を増やし、大衆の能力で起業を助け、大衆の資金で発展を促すことを目的に、衆創を全面的に推進し、衆包を積極的に普及させ、衆扶を多層的に実施し、衆籌を安定的に発展させることが提起された。
新たな事物がハイペースで出現する「互聯網+(インターネットプラス)」の時代、めまぐるしく変化する環境の中でチャンスをつかみ、発展をリードするには、長期的な視点を持った対策と戦略が必要だ。中国インターネット情報センター(CNNIC)が1月に発表した「第37回中国インターネット発展状況統計報告」によれば、2015年12月の時点で、中国のネットユーザー規模は6億8800万人に達し、通年で3951万人増加した。インターネット普及率は50.3%で、2014年末と比べて2.4ポイント上昇した。また、中国のネットショッピング市場のユーザー規模は4億1300万人、成長率は14.3%に達している。別の統計では、第12次五カ年計画(2011-15年)期間中、インターネットの中国経済成長への寄与率は大きく向上し、インターネット経済の対GDP比は上昇し続け、2014年には7%に達し、米国の割合を上回った。
1年前には李克強総理が「大衆による起業・革新」を提唱し、今年は「四衆」が政府活動報告に組み入れられた。人々は、中国の起業・イノベーションの雰囲気がますます高まりつつあると感じている。「四衆」プラットフォームは夢をかなえるチャンスを秘めているだけでなく、社会経済の発展に多くの活力を注入することになる。
写真1 26歳の楊啓帆さんが率いる開発チームは、農薬の散布量を自動的に調整する「ドローンシステム」
の研究を行っている。写真はドローンの回路をテストする楊さん。(撮影:人民網 牟健)
記事提供:人民日報
関連リンク:第12期全国人民代表大会第4回会議 政府活動報告