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寧夏のバイオ発酵産業発展のため中国東部・西部が提携

2019年4月23日 王迎霞

 中国工程院の院士で江南大学学長の陳堅氏は、「寧夏回族自治区の地理環境はバイオ発酵産業の発展にとりわけ適している。しかし、産業チェーンがまだ整っておらず、テクノロジーイノベーション能力もまだ低いため、発展が思うように進んでいない。しかし3つのことにしっかり取り組めば、その現状を変え、中国、ひいては世界で有数の食品・バイオ発酵産業を形成することができる」との見方を示す。

 江南大学と寧夏回族自治区科技庁テクノロジー提携協議調印セレモニーと「寧夏食品・バイオ発酵産業発展戦略コンサルティング研究」プロジェクト始動セレモニーがこのほど、寧夏回族自治区銀川市で開催され、陳学長が江南大学のバイオエンジニアリング学院、薬学院、食品学院の専門家11人を引き連れて参加した。

 このように寧夏は東部と西部のテクノロジー提携推進を深化させるために大きな一歩を踏み出している。

 2016年に習近平総書記が寧夏を視察した際、「発展が遅れている地域ほど、イノベーション主導の発展戦略を実施しなければならない」と指摘した。そのため、同自治区党委員会と政府は東部・西部テクノロジー提携をイノベーション主導戦略実施の重要なコンテンツとして全力で推進し、北京や上海、天津など8省・市に中国工程院や中国科学院、浙江大学など5機関を提携の主体とした「8+5」東西部テクノロジー提携メカニズムを構築した。江蘇省と中国工程院は、2017年第1回「科技支寧(テクノロジーで寧夏をサポート)」東西部提携推進会で寧夏と提携を行った。

 これにより、中国東部と西部の提携が強化され、「提携」が美しいハーモニーを響かせるようになった。

 中国工程院は、国家基礎工学テクノロジーハイエンドシンクタンクの役割を十分果たし、院士である専門家が寧夏を訪問して実地調査やコンサルティング指導を行うよう3度企画したほか、同自治区政府と共同で中国基礎工学テクノロジー発展戦略寧夏研究院を立ち上げることで合意。毎年500万元(1元は約16.56円)を拠出して寧夏の戦略的コンサルティング研究展開をサポートしている。今回始動した食品・バイオ発酵プロジェクトは2018年に実施が始まった5つの重大戦略コンサルティング研究プロジェクトの1つだ。

 民は食をもって天となし、食は安心をもって第一となす。特に食品と医薬品の安全を重視している寧夏はここ20年の発展を経て、発酵系原料薬産業の業界全体に占める割合が80%以上を占めるようになり、発酵容積は8万立方メートル以上に達し、中国で重要な発酵系抗生物質原料薬やバイオ発酵の生産拠点となっている。しかし、リーディングカンパニーが少なく、産業の規模が小さく、イノベーション能力も不足していることが原因となり、産業の発展はボトルネックに直面している。

 この課題に対し陳学長は、「まず、ボトルネックとなっている問題に的を絞り、イノベーションチームを立ち上げ、現有の企業が最新技術を採用して、それを実用化させていく。次に、産業構造を最適化し、一部の分野では中国でトップ、世界で先頭を走る存在になるようにしなければならない。最後に、技術を産業化し、製品をグローバル化しなければならない。そして、企業はイノベーション能力を継続的に向上させ、新しい技術と製品を開発し、中国国内と海外市場で重要な位置を占めるようにならなければならない」と、3つの面でしっかりとした取り組みを行うよう提案している。

 発展とブレイクスルーを切望している寧夏の食品・バイオ発酵産業にとって今回、江南大学との提携は喜ばしい知らせであることに疑問の余地はない。

 江蘇省は、中国において食品・バイオ発酵製品の主要な生産拠点で、「リーディングカンパニーが牽引し、そこに産業チェーン全体が集まる」という産業発展の優位性、自主的高度化・モデルチェンジ能力を築いている。江南大学もまた中国で唯一の食品科学・技術国家重点実験室や食料発酵技法・技術国家エンジニアリング実験室、国家機能食品エンジニアリング技術研究センターなど国家級の8つのプラットホームを有し、食品や発酵エンジニアリングを特色とした科学研究体系を構築している。

 江蘇省は「テクノロジーで寧夏をサポート」東西部テクノロジーイノベーション提携を非常に重視し、それを積極的に推進しており、2017年には、共同で実施したテクノロジープロジェクトが38件に達し、うち重大プロジェクトが6件で、合わせて6億4,300万元が投じられ、財政援助が1億8,100万元に達したことは注目に値する。また提携を推進するために、江蘇省は、「テクノロジーで寧夏をサポート」特定項目資金を設置し、寧夏で実施されているプロジェクトに資金的援助を行い、企業や科学研究者が経済的な心配をすることなく両地を行き来することができるようサポートしている。

 寧夏科技庁の郭秉晨庁長が指摘するように、中国工程院と江蘇省が重視し、各専門家と学者のサポートを得ている寧夏の食品・バイオ発酵産業は、イノベーション発展の強力な原動力を得ている。

 天下の難事は必ず易きよりおこり、 天下の大事は必ず細より作る。

 寧夏科技庁は現在、東西部テクノロジー提携の発展深化を全力で推進し、同プロジェクトに必要な技術的ブレイクスルーを大々的にサポートし、江南大学が望むテクノロジー提携の面でも積極的にマッチングを実施し、提携が確実に実を結ぶよう取り組んでいる。


※本稿は、科技日報「東西部合作,為寧夏生物発酵産業開"処方"」(2019年4月8日付7面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。