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中英成果実用化センター、広州に開設―協力に秘められた巨大なビジネスチャンス

2019年8月6日 葉青(科技日報記者)/黄于穂(科技日報特派員)

 第10回中英サイエンスブリッジ・オープンイノベーションプロジェクト商談会が先ごろ広州ハイテク産業開発区で行われた。中国と英国のバイオテクノロジー・健康分野の院士や学者、企家ら業界のエキスパートが一堂に会し、共に中英両国のイノベーション協力に取り組んだ。

 今回の商談会では、多くの重要な協力プロジェクト契約が集中的に締結され、科学研究成果の実用化に向けて良好な基礎をさらに固めた。そのうち易創科技国際有限公司、広州呼吸疾病研究所医薬科技有限公司、納斯特投資管理有限公司、粤港澳大湾区科技イノベーションサービスセンター(「粤港澳大湾区」は広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)、広東豊楽集団有限公司が集中的に契約を締結し、中英バイオテクノロジー・健康イノベーション成果実用化センターと中英バイオテクノロジー・イノベーション基金を共に設立することとなった。また同日、中英サイエンスブリッジ華南弁公室、中英バイオテクノロジー・健康イノベーション成果実用化センター(中英生物科技和健康創新成果転化中心)が設立された。

 中国工程院院士の鐘南山氏が率いる広州南山科創基金は、規模が2億元(約31.6億円)で、バイオ医薬と関連分野の科学研究機関、新型研究開発機関、大学の科学技術成果実用化プロジェクトへ重点的に投資している。今回、同基金と易創社は協力して「中英バイオテクノロジー・イノベーション基金」を設立し、中英両国のバイオテクノロジー協力プロジェクトの健全な成長をサポートしていくこととなった。

 広州ハイテク産業開発区では現在、バイオ医薬分野の企業が600社を超えている。2018年には営業規模785億元(約1兆2,250億円)を実現し、広州市の60%を占め、さらに2018年4月には中国「バイオ医薬ベスト産業パーク賞」を受賞した。広州バイオ医薬産業発展の主戦場である広州ハイテク産業開発区には、「研究開発イノベーション・インキュベーション加速・ハイエンド製造・産業サービス」にわたる全産業チェーンがすでに出来上がっている。

 説明によると、多くの英国側の専門家や企業家は今回の広州訪問が初めての訪中だったという。今回英国側は世界の先進的な健康管理理論と派生技術を中国に紹介し、その分野は運動モチベーションアップや睡眠健康、カスタムメイド飲食栄養管理、心理健康フォローなどを含む「高齢者ヘルステクノロジー」産業チェーンを網羅していた。

 商談と視察に参加した中国側企業には、高齢者ヘルステクノロジーや老人性認知症、神経変性疾患といった方面の研究院・研究所と企業が含まれていた。

 英国側団体の中国進出をコーディネートしている英国ブラッドフォード大学オープンイノベーション主任のポール・ソーニング氏は、「現在は史上最も中英両国の協力が密接な時期。中英両国の協力イノベーションは極めて大きなビジネスチャンスを意味する」と指摘した。

 鐘氏は第1回中英サイエンスブリッジ・オープンプロジェクト商談会で専門家チーム長を務めた経験を持つ。鐘氏は、「英国は研究開発への投入を極めて重視しており、科学研究の基礎が極めて強く、効率が高い。また世界最高の医療制度であるNHS(国民医療サービス制度)を有している。一方中国には、世界で最も豊富な臨床資源、最も競争力ある製造業、最も巨大な消費市場がある」と指摘。さらに、「中英両国の優位性を結びつければ、より多くの企業がコストによる駆動から市場による駆動へ、さらには知識による駆動へと転換し、企業戦略の高度化を成し遂げるよう促すことができるだろう」との見方を示した。

 2011年に広州ハイテク産業開発区が第1回中英サイエンスブリッジ・オープンプロジェクト商談会を行って以来、今回で第10回を数える。「中英サイエンスブリッジ」プロジェクトは中英イノベーション企業協力に力を注いでおり、英国が生命健康分野の高付加価値技術と製品を中国へ輸出することを促進し、中国企業が欧州市場を切り開くための有効なルートとなっている。これまで9回の本商談会において、200以上の協力覚書が締結されている。


※本稿は、科技日報「合作蘊含巨大商機 中英成果転化中心落戸広州」(2019年7月25日付6面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。