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中仏エネルギー協力、世界の持続可能な発展に原動力を注ぐ

2019年9月18日 李宏策(科技日報駐フランス記者)、劉伝書(科技日報記者)

 中国広核集団は3日、仏パリで「2018年世界持続可能な発展報告書」を発表した。世界の提携先に向け、経済・環境・社会の持続可能な発展における行動および貢献について全面的かつ系統的に説明した。中国企業がフランスで持続可能な発展の報告書を発表したのはこれが初となる。

世界のエネルギーモデルチェンジに協力

 気候変動は現在、21世紀の人類が共に直面する厳しい課題になっている。気候変動に対応し、二酸化炭素排出量を削減し、グリーンな環境保護を実現することは、世界の持続可能な発展の最優先事項であり、17項目からなる国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一つでもある。

 中国広核集団の賀禹董事長(会長)は記者会見で、「クリーンエネルギーのサプライヤーおよびサービス業者である当社は、最高のコンプライアンス基準により自社の経営行為を律し、現地社会のために雇用を創出し、経済的貢献を果たしている。当社はこれまで世界のパートナーとの意思疎通を強化し、ウィンウィンのエコシステム構築に積極的に参加し、エネルギー技術およびクリーンエネルギー産業の発展を推進してきた。また、現地コミュニティの持続可能な発展を積極的に支援している」と表明した。

 賀氏によると、同社の稼働中のクリーンエネルギー設備容量は今年8月末現在で53.53GWにのぼり、2018年通年の送電量は2,205億kWhに達した。これは1億6,000万トンのCO2排出量削減効果に等しく、44万ヘクタール以上の植林に相当する。

 特筆すべきは、同社の欧州におけるクリーンエネルギー設備容量は1GWを超え、累計発電量が43億kWh以上にのぼる点である。これは約1万ヘクタールの植林効果に相当し、CO2排出削減の効果が顕著だ。賀氏は、「パリ協定の誕生地で当社初の『世界持続可能な発展報告書』を発表したことは、クリーンエネルギーを発展させ、世界の省エネ・CO2排出量削減および気候変動への対応に貢献するという、当社の揺るぎない決意を示している」と述べた。

原子力エネルギー協力の豊かな成果

 中国とフランスのエネルギー協力には長い歴史がある。中国広核集団はフランス電力会社(EDF)、フラマトムなどの提携先と良好な協力関係を維持してきた。賀氏は、「当社は30年以上前、EDFやフラマトムなどと協力し、広東省の大亜湾原発を建設し、中国本土における商用原子炉ゼロの歴史にピリオドを打った。当社は21世紀に入ると再びEDFと協力し、フランスのEPR(欧州加圧水型炉)第3世代原発技術を活用した台山原発を建設した。双方の共同の努力により、台山原発1号機は2018年12月に稼働開始し、世界初のEPR原子炉になった」と述べた。

 中国とフランスの原子力エネルギー協力は近年、新たな1ページを開いた。習近平国家主席と英国のキャメロン首相(当時)の立会いのもとで、中国広核集団とEDFは2015年10月21日、ヒンクリー・ポイントC原発、ブラッドウェルB原発、サイズウェルC原発の投資契約を結び、世界の原子力発電産業の発展を推進した。賀氏は、「中国とフランスが英国の3大原発プロジェクトを共同建設し、第3国市場を共同開拓し、中仏英協力のフラグシップ・プロジェクトを構築し、双方の協力がさらに深まった」と述べた。

 盧沙野・駐フランス中国大使は式辞の中で、「30年以上にわたり、中仏企業の原子力発電分野の緊密な協力が途切れることなく続いた。中仏協力の新モデルを切り拓いただけでなく、原子力エネルギー協力により開いた中仏友好の花に水を注ぎ、育ててきた。中国広核集団が世界規模の社会的責任に関する報告書を発表したことは、社会的責任を積極的に負うという中国企業の責任感を示した。中仏両国はエネルギー協力の分野で大きな将来性を持っている。中国広核集団とフランスの提携先が引き続き原子力エネルギーや新エネルギーなどの協力を深め、両国の社会・経済発展および世界の持続可能な発展に対して新たな、より大きな貢献を果たすことを願う」と述べた。

 EDFの執行役員であるグザビエ・ウルサ氏は、「中仏原子力エネルギー協力は非常に重要で、台山原発は両社の協力と実力を体現している。我々は引き続き全面的な協力を共に模索する。技術とビジネスのみに限らず、中仏両国が持続可能な発展に関するより多くの共通認識を形成し、グリーン融資やエネルギー切り替えなどの面でさらに協力するよう促し、両国首脳が署名した『パリ協定』の目標達成、措置の実行を促進する」と発言した。フラマトム中国区総裁の方瑋氏も、今後も良好な協力を行っていく意向を示し、「中仏両国の原子力産業協力には大きな将来性がある。今後は国際原子力発電市場の開発、原子力産業チェーンの協力、技術研究開発の協力などの分野で、協力をさらに深め、互恵・ウィンウィンを実現できる」と語った。

新エネルギーが中仏エネルギー協力の新たな見所に

 原子力エネルギー協力から新エネルギーへと、中仏エネルギー協力の範囲が絶えず拡大し、モデルの革新が続き、中仏各界から広く注目されている。中国広核集団は2014年に欧州クリーンエネルギー市場に進出し、パリに中広核欧州エネルギー公司を設立した。

 中国広核集団はフランスで、現地の希少動植物の保護を優先的に考慮し、環境アセスメントが提唱する都市計画および動植物保護措置を尊重している。風力発電所の設計では、設備容量を減らしてでも、生物保護エリアを破壊しないようにしている。

 中広核欧州エネルギー公司の黄遠征総裁によると、中国広核集団はすでにフランス、英国、ベルギー、アイルランド、オランダ、スウェーデンなどの国で13件のクリーンエネルギープロジェクトを運営している。設備容量65万kWのスウェーデンの北極風力発電プロジェクトは、欧州で単体として最大の陸上風力発電所で、竣工後には40万世帯の電力需要を満たす。仏グロワ風力発電所はフランスおよび欧州初の大規模な浮体式洋上風力発電実証プロジェクトで、中国企業が入札・落札した。アイルランドのドゥファン風力発電プロジェクトは、中国新エネルギー企業のアイルランドにおける最大の投資プロジェクトだ。中国企業は欧州新エネルギー建設の重要な参加者になりつつある。


※本稿は、科技日報「中法能源合作為全球可持続発展注入動力」(2019年9月5日付第2面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。