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中国で形成される世界に向けた科学技術ガバナンスのコンセンサス

2019年11月6日 王俊鳴、房琳琳、李釗、余昊原(科技日報記者)

 秋深まる10月、中国科学技術協会国際月例会議が計画通り開催された。第1回世界科学技術・発展フォーラム、2019年世界科学リテラシー会議および国際科学会議(ICSU)で議題となった中国の世界に向けた科学技術ガバナンスのプランはいずれも、科学技術イノベーションを通して持続可能な発展を促進し、人類運命共同体を構築するという習近平総書記がかつて会見で述べた内容を反映し、さらに中国が世界的な科学技術イノベーションパートナー関係の構築、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の促進を非常に重視していることの表れともなっている。

 これらは世界のテクノロジー界の共感を呼んでいる。筆者らはそれらの会議に参加した国際組織の高官やノーベル賞受賞者、大学の学長、著名な研究者を取材し、科学技術と経済、社会、文化、生態などとの協同発展に対する素晴らしい考えを読者と分かち合う。

 中国科学技術協会が開催した世界科学技術・発展フォーラムと世界科学リテラシー会議では、「2019年度の人類社会の発展をめぐる10の科学的問題」が示された。それらの問題は健康、環境、エネルギーの三大分野に集中しており、人類の持続可能な発展における最も差し迫り、最も基本的で、最も挑戦的な需要にスポットを当てている。そして多くの科学者が持続可能な発展に対する自身の見方を語った。

 国際熱核融合実験炉(ITER)の駐欧州連合(EU)幹部のマイケル・クラーセンス氏は、今回の会議に参加したことに大きな意義を感じており、「科学技術分野の運命共同体を率先して構築することで、世界の発展を促進することができる」とし、「ハイコストの国際的問題は、世界が共同で解決策を探らなければならない。そして、世界でベストのアイデアと人材を集め、イノベーション型グローバル協力のモデルを通して、人類のさらに素晴らしい未来を作り出さなければならない」と語った。

 第1回世界科学技術・発展フォーラムに出席した国際学術会議(ISC)のダヤ・レディ会長は取材に対して、「科学者は最先端の科学と技術を使って人類が直面している課題に対応している。その過程で、世界がパートナー関係を築き、科学技術の持続可能なイノベーションを重視することは、人類が持続可能な発展目標を達成するために非常に重要だ。現在、科学技術を通して人類の持続可能な発展を促進する面では多くの課題に直面している。地域によって解決しなければならない問題も異なり、それら一つ一つを正確に分類することはとても難しい。しかし、あえて分類するとすれば、私は環境問題と貧困問題の持続可能な発展に対する影響が極めて大きいと考えている」と語った。

 2011年のノーベル医学生理学賞受賞者であるジュール・ホフマン氏は中国の最近の科学技術の発展を高く評価し、「中国の科学技術は急速に発展しており、非常にオープンである。中国と世界の科学者がさらなる意思疎通と協力を望んでいる。過去50年にわたり、世界における科学技術イノベーションや科学技術の進歩の大半は、西洋諸国や西洋の研究機関から生まれている。しかし、そのような状況に変化が起きており、近年は日本や中国が科学技術の進歩においてリードするようになっている。中国の科学界は世界の科学界とのさらなる連携ができる」との見方を示した。

 第1回世界科学技術・発展フォーラムで、中国の科学者は、「分類・計画・協力」の3Cを枠組みにして、世界全体でSDGsの実施を加速するという持続可能な発展を促進するための提案を行った。具体的には、SDGsに協力する科学技術ガバナンスにおけるパートナー関係を構築し、科学技術の持続可能なイノベーションが人類の持続可能な発展を促進することの価値に関するコンセンサスを築き、政府、企業、研究機関、大学、社会組織および世界的な科学技術ガバナンス体系を整備し、企業、地域、国家間の科学技術パートナー関係を全面的に強化することだ。


※本稿は、JSTが参加する国際科学技術メディア連盟に提供された記事「中国主場凝聚世界科技治理共識」(科技日報、2019年10月22日付)を日本語訳/転載したものである。