第171号
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AIとの出会い―銀川市が質の高い発展によって輝くとき

2020年12月18日 王迎霞

基本的なデジタル化の完了、ネットワーク化の加速、着実なスマート化、自動化の全面的な実現

 人工知能(AI)は都市にどのような変革をもたらすのか?

 AIは質の高い発展に「加速器」を搭載してくれるというのが、寧夏回族自治区銀川市の答えだ。

 11月3日、2020年銀川世界スマートシティサミット人工知能分科会で、銀川市党委員会常務委員で副市長を務める李暁鵬氏は「近年、銀川市は大々的にスマートテクノロジーの産業への応用を推進しており、既に成果が表れ始めている」と述べた。

 スマート政務からスマート製造に至るまで、中国の西北内陸部に位置する銀川市が強力な原動力と無限の活力を放つようバックアップしているのはAIである。

 銀川市は今後、人工知能と産業の融合発展を更に強化し、イノベーション体系の整備やイノベーション資源の集積、包摂的なイノベーション環境を通して、質の高い発展に新たな原動力を提供していく計画だ。

従来産業を全方位、全角度、全チェーンから改善

 ここ数日銀川市の話題をさらっているのは、何と言っても自動運転車である。

 世界スマートシティ博覧会のメインフォーラム開催期間中、銀川市政府は、百度網訊、滄州雲図科技、海梁科技、嬴徹科技の4社の自動運転車両7台に道路試験や実証応用のためのナンバープレートを発行し、体験ルートも開設した。

 これは、自動運転が銀川市に正式に導入されたことを意味する。

 2019年、銀川市は百度公司と提携し、人工知能や5G、エッジコンピューティングなどの新興技術を組み合わせて、スマート車両--ドライブテストスマートシステム--センタークラウドコントロールプラットフォームからなる「三位一体」の体系を構築し、西部地域においてICV(インテリジェントコネクテッドビークル)、スマート交通産業エコロジカルのイノベーション発展を率先して推進している。

 自動運転は、銀川市がAIを拠り所として発展のエンジンを構築する縮図と言える。

 その背後には、都市全体のガバナンスを完全に制御する「スーパーブレイン」がある。

 人工知能の発展の契機を見据え、銀川市は昨年、スマートシティ運営管理指揮センターの計画を実施し、6月に建設が始まり、8月下旬にはシステムの試験運営が始まった。

 その後、市政府は「インターネットデジタル経済発展の加速に関する若干の意見」を発表し、ハイレベルのインターネットデジタル経済産業プラットフォームを構築することで、従来産業を全方位、全角度、全チェーンにわたり改革する目標を明確にした。

 現時点で、同指揮センターは68機関の86システムのデータ接続を実現、産業、経済などのさまざまなテーマやシーンを構築した。それによって、都市運営管理をめぐる問題62万件以上、市民からの苦情256万件以上を処理した。

 テクノロジー産業の基礎発展が継続して強化され、コア技術が重点的に育成され、製品の応用シーンが積極的に開放されてきた。

 銀川のAIと産業のコラボレーションの方向がより明確になっている。

産業のインターネット発展がスマート産業の重要な足掛かりに

 では、AI技術はどのように産業にエネルギーを注入するのだろうか?

 銀川市科学技術局の韓藩璠局長は「大きな課題であるため、深い交流を行い、アプローチを啓発する必要がある」と語る。

 この初心に基づき、同局は3日に開催した人工知能分科会で「AIを洞察し産業にエネルギーを注入」というテーマを設定し、業界内の著名な学者や専門家を招き意見を交換した。

 清華大学電子工学部の喬飛副研究員が現在研究中の「センサー―計算」共融体系枠組み及び集積回路の設計方法は、視覚、聴覚、触覚などのマルチモーダル、マルチシーンの感知のニーズを対象に、従来のデジタル化感知処理体系を大幅に拡大することができる。

 AIの応用が数多くの業界で加速して進む中、銀川市は早くから産業のインターネットの発展をスマート産業エコシステム構築の重要な突破口と位置づけ、積極的にチャレンジし展開してきた。

 2019年10月、共享智能鋳造産業イノベーションセンター有限公司は、寧夏「産業のインターネット」体験センターを建設し、稼働を開始した。同センターは、寧夏回族自治区のスマート製造の優れた成果を集中的に展示する窓口であるだけでなく、工業企業をクラウド上でPRする交流プラットフォームでもある。

 今年7月、同センターは中国工業情報化部が指定する、第2期産業のインターネットプラットフォーム応用イノベーション推進センターに選ばれ、中国全土でも僅か3つしかない建設機械などの業界向けプラットフォームプロジェクトの1つとなった。

 寧夏「産業のインターネット」体験センターを通して銀川市を見ると、産業のインターネットは力強く足音を轟かせながら前進していることが分かる。

 銀川華信智信息技術有限公司の「備値インダストリアルインターネットビッグデータ共有プラットフォーム」、寧夏哈納斯天然ガス有限公司の「都市ガス生産運営調整プラットフォームシステム」、寧夏凱晨電気集団有限公司の「凱晨電気インターネット集積運営・メンテナンスセンター」、銀川融神威自動化計器工場の「メータースマート管理プラットフォーム」などは、どれも業界級の産業のインターネットを代表する存在だ。

工業自動化の発展加速の"四部曲"を奏でる

 基本的なデジタル化の完了、ネットワークの加速、着実なスマート化、自動化の全面的な実現―

 これは、銀川市が工業自動化発展を加速させる"四部曲"だ。

 ここ数年の取り組みを経て、銀川市全域で30以上の産業のインターネットプラットフォームが完成し稼働開始しており、企業300社以上がクラウドに接続し、工業設備1,000台がネットワークに接続している。そして「情報化と工業化の融合管理体系」基準を徹底する国家級テスト企業28社、自治区級デジタル化工場17ヶ所、スマートファクトリー13ヶ所を育成し、産業用ロボットテスト・モデルプロジェクト5件が開始された。

 正しさを貫きイノベーションを継続することで、各産業のインターネットプラットフォームは日に日に成熟している。

 銀川市自慢のスマート水利建設の分野では、銀川市政府と寧夏水利庁、清華大学は共同でデジタル治水連合研究院を立ち上げ、「研究院+試験エリア+産業パーク」のモデルに基づいて「ウォーターネットワークオールデジタル治水キーテクノロジー研究」などの一連の研究を実施している。

 約1万3千ヘクタールのデジタルエコロジカル灌漑区域や寧夏デジタル治水産業パークが完成し、「インターネット+農村の飲料水」などの全国に先駆けた数多くのスマート水利を導入し、入居する企業23社の灌漑区域スマートコントロールチップや水利の情報化ソフトウェアの開発サポートを行うなどして、イノベーション発展が加速した。

 研究開発プラットフォームは、建設するだけでなく、それを活用する必要がある。

 企業がスマート化の過程で直面するネックや難点、悩みどころを解決できるようサポートするべく、銀川市は今年、一定規模以上の企業(年売上高2000万元以上の企業)100社に、スマート化診断サービスを提供した。そして、今後3年の間に市内の全ての一定規模以上の企業を対象にスマート製造診断を実施する計画だ。

 韓局長は「当局は既に中国国内の人工知能産業型専門家リソースを集結している。今後は、定期的に交流活動を企画し、現地の産業がモデル転換と高度化を推進し、質の高い発展を実現することができるよう積極的に取り組む」と語った。


※本稿は、科技日報「遇見AI,銀川高質量発展迎来高光時刻」(2020年11月18日付7面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。