2009年07月27日-07月31日
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中国、2分の1の地域の土壌データベース化が完成

2009年07月27日

 土壌は生命元素の循環の基礎となっている。土壌の性質を掌握する様々なデータは農業科学、環境科学、社会経済科学の研究を進める重要な手段だ。中 国の貴重な土壌調査資料の利用の不便性と大量紛失を解決するため、科技部と農業部の支援のもと、既存の調査資料を利用して2分の1の国土面積をカバーする、高精度の土壌データベースが作成され、コ ンピュータで中国各地の土壌の特性がシミュレーションと3Dで再現されるようになった。この成果は、農業栽培、大気環境、水質汚染、食の安全など様々な研究において重要な役割を果たす。人民網が24日伝えた。

 「土壌データベース」は、現代情報技術を使ってコンピュータで土壌の物理的、化学的性質と状態のほか、地理的分布、断面の特徴をシミュレーションで再現した、現 代社会において科学研究と科学管理を進める上で重要な基礎ツールとなる。5ヘクタールを一単位に土壌の性質に関する詳しい情報が提供される。欧米などの先進国では、2 0世紀末から高精度の土壌データベース化が急速に発展し、気候変動や環境保護、耕地の保育、グリーンボックス政策など各方面で幅広く活用され、科学研究および科学管理に欠かすことができないツールとなっている。

 中国の著名な土壌学者である趙其国氏と劉更リン氏らの指導の下、研究スタッフは困難をものともせず、探索を繰り返し、3年がかりで全国900カ所以上の図や資料の集成を完成。欧 米などの先進国を上回る勢いで、中国初の高精度な土壌パターンを構築した。

 2012年までに全国5分の4の地域をカバーする土壌データベースが構築される見通し。残りの地域は、土壌調査の資料が紛失しているものの、土 壌製図のデジタル化技術を活用してできるだけ早くデータが補足される。

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