2009年12月01日-12月04日
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中国の交雑水稲、ベトナムで増産

2009年12月01日

 武漢市人民政府と武漢大学主催の「HL型交雑稲現場観察および産業化シンポジウム」が行われ、HL型交雑稲「珞優8号」の種子が今年ベトナムで1000トン販売され、単独品種としては販売量、植付け範囲、総合品質の三項目で第一となったことが明らかになった。同品種のベトナムの食料安全や農民の増産・増収への多大な貢献に対し、同国農業部は今年「食料安全賞」を授与する。科学時報が30日伝えた。

 ベトナム大洋種業有限公司の羅雲飛董事長によると、2006年夏に同社は40キロの「珞優8号」を同国寧平県に持ち込み実験を試みたところ、1ヘクタール当たり8.4キロの生産高をあげ、当時植付けられていた他品種の夏季最高生産高7.5トンを大きく上回った。その後、「珞優8号」の同国での販売量は2007年の230トンから今年は1020トンと急速に伸びている。「珞優8号」は全国の交雑水稲植付け面積の5%を占め、3年後には20%を超えると見込まれている。

 HL型交雑水稲は中国工程院院士で武漢大学教授の朱英国氏をはじめとする研究チームが40年近くかけて開発、育成した良種で、袁隆平院士の「WA型」、日本の「BT型」とともに国際的に公認された交雑水稲の三大細胞質雄性不稔品種とされる。

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