2010年07月12日-07月16日
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中国が自主開発した初の原発ユニット、発電スタート

2010年07月16日

 中国初となる、自主開発の原発技術を採用して建設された広東核電集団有限公司(中広核)傘下の原発ユニット、「嶺澳原子力発電所」2期・1号ユニットが15日午後、グリッド接続発電に成功した。同ユニットは中国で正式稼動した12基目の原発ユニットとなる。「科技日報」が16日に伝えた。

 国家原子力発電自主化委託プロジェクトにも組み込まれている同ユニットは、「第10次五カ年計画」期間中に起工した唯一の原子力発電プロジェクトだ。中広核集団が自主開発した加圧水型原子炉技術「CPR1000」を採用し、設備容量108万キロワット級の発電ユニット2基を建設した。

 国による「自主設計、自主製造、自主建設、自主運行」の目標に照らし、嶺澳原発2期工事では、中広核公司が全体的な管理を担当したほか、プロジェクト設計、設備製造、設備監督、プロジェクト施工、技術サービスなども国内企業が主に担当した。1号ユニット、2号ユニットの国産化率はそれぞれ、50%以上、70%以上となっている。

 これまでに、中国ではすでに原発ユニット11基が稼動しており、総設備容量は約907万8千キロワットに上る。

 今回、嶺澳原発2期・1号ユニットが発電をスタートしたことで、中国は第2世代改良型・100万キロワット級原発技術を掌握したことになる。これにより、原発設計の自主化と設備製造の国産化能力が基本的に形成され、第3世代原子力発電技術の高レベルでの導入、消化、吸収に向け、基礎を固めることとなった。

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