昨年の「中国自動車産業振興計画」の中で、2011年までに電気自動車、ハイブリット自動車、水素燃料電池自動車を中心とする新エネルギー自動車の保有台数50万台という目標が掲げられた。2020年には電気自動車を中心とする中国の新エネルギー自動車の市場規模が世界一となり、保有台数は500万台から1千万台に達すると目されていた。各大手自動車メーカーも政策支援のもと、新エネルギー車の開発に取り組んできた。そうした政府とメーカーの熱意をよそに、消費者の関心は薄い。中国では今年に入って10カ月で1110万台以上の乗用車が販売、自動車市場は急成長した一方、新エネルギー車の販売台数は1千台にも満たなかった。中国のラジオ番組・中国之声が7日伝えた。
長安汽車が6年にわたって巨額の開発投資を行ってきたハイブリット車「傑勲HEV」が発売され、中国初の自主開発・量産ハイブリット車をはじめ、国家「863計画」自動車特別事業など数々の「ナンバーワン」の栄冠に輝いた。しかしその栄光の陰には厳しい現実が待っていた。新エネルギー車はここ2年注目を集め、政府は数々の刺激策を打ち出し、自動車メーカーも億単位の資金を新エネルギー車の開発・生産に投じている一方で、消費者の態度は冷ややかだ。09年の「傑勲HEV」の累計販売台数はわずか100台余り。同年末には全面的な生産停止を余儀なくされた。このことは販売台数が伸び悩んでいる中国の新エネルギー車の厳しい現実を物語っている。