レアアースはハイテクや先端国防技術の発展、伝統産業の改造に不可欠な戦略資源として世界から認められている。50年余りの発展を経て、中国は世界一のレアアース生産・輸出・消費国となった。だがレアアース工業の急速な発展に伴い、レアアース消費量の増加も加速し、レアアース抽出過程における資源利用率の低さや環境汚染といった問題が深刻化している。4日付「科学時報」が伝えた。
先日の第377回香山科学会議(テーマ:「中国におけるレアアース資源の効率的でクリーンな抽出と循環利用」)で専門家は「中国はレアアースの効率的でクリーンな抽出技術の研究開発を強化し、『三廃』(廃液、固体廃棄物、廃ガス)汚染を根源から減少または消去し、随伴資源や二次資源の総合的な回収利用を重視し、レアアース資源の利用率を高めるべきだ」と指摘した。
北京非鉄金属研究総院の黄小衛教授は「中国は豊富なレアアース資源を持つ。特に世界でも珍しい中国南部のイオン吸着型レアアース、中・重レアアースだ。中国のレアアース科学技術関係者は自国のレアアース資源の特徴に着目し、独自のレアアース生産技術を開発し、かつこれを工業生産に応用することで、レアアース工業の無から有へ、小から大への飛躍的発展を実現させた」と述べた。
黄教授はさらに「中国ではレアアース産業の急成長に伴い、採掘方式の粗雑さ、資源利用率の低さ、環境汚染などの問題が日増しに顕著になっている。包頭市のレアアース鉱物資源利用率がわずか10-15%であること、四川省徳昌県のレアアース鉱物選鉱回収率が30%未満であることなどだ」と述べた。
国家地質実験測試センターの李家煕教授は「包頭市のレアアース資源は中国において重要な地位を占めるが、現在資源利用率はわずか10%だ。尾鉱のレアアース含有率は高く、回収利用すべきだ」と指摘した。