2011年01月03日-01月07日
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中国、海洋天然ガスハイドレートの調査で4大成果

2011年01月05日

 中国による海洋天然ガスハイドレート(NGH)調査は10年近い徹底的な実施を経て、すでに4つのブレークスルー的な成果を上げている。今年上半期にも報告がまとめられる予定だ。中国地質調査局がこのほど広州で開いた会議で発表した。新華社が2日伝えた。
 NGHはここ20年来、海洋や永久凍土で発見されている新しいタイプのクリーンエネルギーで、石油や石炭といったこれまでのエネルギーの代替品として期待されている。世界中のNGHに含まれる有機炭素の総資源量は、これまでに埋蔵の確認された石炭、石油、天然ガスの2倍に相当すると推定される。広州海洋地質調査局はここ10年、調査船計4隻を運用して25回の航海を行ない、南中国海北部の大陸斜面、特に西沙海溝、神狐、東沙、瓊東南の4海域で重点的かつ段階的なNGHの調査活動を行なった。これによって現在までに4つのブレークスルー的な成果が得られた。

 (1)南中国海北部大陸斜面にNGH埋蔵エリアを発見。西沙海溝、神狐、東沙、瓊東南でNGHの存在を示す深層・浅層・表層の地球物理・地球化学・地質・生物上の重層的かつ情報に富む異常を掴んだ。

 (2)南中国海北部大陸斜面のNGH資源の潜在力を評価。異常分布範囲を大まかに区擇蝓・GH含有層の厚さと将来性を予測し、潜在力を評価した。

 (3)東沙、神狐をNGH重点目標に決定。南中国海北部大陸斜面で最もNGH採掘の期待される、ボーリング調査の対象エリアを定めた。

 (4)中国の南中国海にNGHの存在を確認。07年4-6月、外国のボーリング船を借りて神狐海域でボーリングを行ない、NGHサンプルの採掘に成功。中国は米国、日本、インドに次いで国レベルの計画で海底からNGHサンプルを採掘した世界で4番目の国となった。

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