2011年01月17日-01月21日
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ハルビン工業大学 高圧線上で氷を除去するロボット開発

2011年01月19日

 中央気象台は18日、暴雪警報・凍結警報を同時に発令した。17日から21日にかけ、中国南方では西から東にかけて再び大規模な雨・氷雪に見舞われる見込みだ。雲南・貴州から江南一帯にかけては中程度の雪又は大雪に見舞われると予測され、今回の氷雪の範囲とレベルは前回を上回ると見られる。「科技日報」が18日に伝えた。

 ハルビン工業大学がこのほど、高圧線上で検査を行いつつ氷を除去するロボットを開発したといううれしいニュースが届いた。このロボットは、高圧線に付着した氷を除去し、電力供給を守ることができるほか、人工的な作業によるリスクを回避でき、災害時の緊急修理の効率を高めることができる。開発者は現在、南方の氷雪災害に関するデータを集めており、ロボットを適応させるための改良を行っている。

 ハルビン工業大学・機電工程学院大学生機械イノベーション実践基地の王浜生副主任によると、このロボットは昨年、第4回全国大学生機械革新設計コンテストで1等賞を獲得し、現在特許申請中だという。ロボットの大きさは長さ44センチ、幅24センチで、一見、電線にぶら下がる小さな戦車のように見える。スイッチを入れると、電線をしっかりとはさんだままゆっくりと前進し、先端に設置された氷を除去するための三日月形の刃が力強く開閉して、氷を打ち砕く。

 このロボットは直径8ミリ-15ミリの電線に付着した氷(氷は最大で直径60ミリ)を除去でき、移動スピードは1時間あたり750メートルにのぼる。同ロボットはさらに、障害物を越えても減速せず、30度の傾斜をのぼり、8級の風力に耐えることができる。

 同ロボットにはリモートコントロールモジュールが設置されており、操作者は室内からロボットを制御できる。また、ワイヤレス撮影機能により、作業員は室内から随時作業状態や電線の破損状況を動画で観察できる。このほか、ロボット上部にはライトも設置されており、夜間や霧の中でも作業できる。

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