現在の国際排出量取引市場において、中国の排出量価格は1トン当たりインドより2・3ユーロ安く、欧州の二級市場と比べると半額未満だ。価格交渉能力は明らかに劣っている。「科技日報」(11日付)が伝えた。
「価格の話をするのはまだ早すぎる」??。排出量取引について清華大学教授のケイ新会委員は「わが国は系統立った炭素排出評価システムすら構築しておらず、合理的な取引の話もできない。ましてや価格交渉など言うまでもない。諸外国はとっくに排出量取引の指標を形成している。英国、米国、日本、韓国のカーボンフットプリント・ラベルからは、製品の炭素排出量を明確に把握できる。たとえばシャンプー1本の生産に二酸化炭素123グラム、豚肉1キロの生産に二酸化炭素3800グラムといった具合だ」と指摘する。
「自らの指標システムがなければ、どんぶり勘定しかできない」。学者出身のケイ委員が最も懸念するのは、システムのないまま盲目的に飛びつき、結果的に市場の混乱を招くことだ。「排出量取引は複雑なシステム工学で、社会の各部門・分野が含まれる。政策、管理体制、技術革新および産業構造の調整などの面から系統立った分析と研究を行う必要がある。特にわが国は地域によって自然資源、自然条件、経済成長レベル、産業構造がそれぞれ異なる」。ケイ委員は炭素排出量の計算を政府が統合的に管理し、各セクターが分担することで初めて、農業、工業、利用者の関連データの共有が可能になると指摘する。