中国国家海洋局からの情報によると、南極中山基地の現地時間12月11日3時10分(日本時間11日7時10分)、南極海流氷上で故障したヘリコプター「雪鷹」が、中国第28回南極観測隊の手により、中山基地に移送された。事故発生から約50時間後のことであった。人民日報が報じた。
ヘリコプター事故の発生後、観測隊は事故調査グループを編成し、故障したヘリコプターおよび事故現場の写真を撮影し、証拠を収集した。またヘリコプター事故発生現場の流氷に対してモニタリングを実施し、流氷の深さ、氷の温度と水温を調べた。これにより故障したヘリコプターの移送の計画を立て、中国国家海洋局の批准を得ると、観測隊は現地の具体的状況に基づき、回収作業を実施した。
現地時間12月10日20時より、観測隊は気温が低く氷が固まる夜間を選び、作業を開始した。25名の隊員は困難な現場環境を克服し、7時間余りを経て、雪橇や2台のスノーモビル「PB240」を使い、8.5トンのヘリコプターを中山基地まで移送した。ヘリコプターのブラックボックスは、作業員の手により事故発生現場で回収され、観測隊に預けられた。
ヘリコプター事故発生と機体の回収の過程において、ガソリン漏れは発生しなかった。観測隊はまた、事故現場に散らばった機体の破片を回収し、環境破壊を防止した。