中国の次世代「人工太陽」実験装置EAST(Experimental Advanced Superconducting Tokamak)の中性粒子ビーム入射(NBI:Neutral Beam Injection)システムがこのほど、出力3メガワット級、パルス幅500ミリ秒の高エネルギーイオンビーム抽出実験に初めて成功した。同実験により得られたビームエネルギーと出力は国内最高記録に達し、EASTプロジェクトの設計目標に到達した。このことは、中国が自主開発した世界先進レベルの中性粒子ビーム入射システムが、重大な技術的難関を突破したことを意味する。新華社が20日に報じた。
EAST中性粒子ビーム入射システムは中国が自主開発したもので、高電流イオン源、高真空、低温冷却、高電圧・絶縁技術、遠隔観測制御、プラズマ、ビーム診断など様々な技術分野に関わる。
中国は国際熱核融合実験炉(ITER計画)の参加国の一つ。EASTは中国が自主設計・製造した世界初の超伝導核融合実験装置であり、2007年3月に国の確認検査に合格し、ここ数年間で一連の実験成果を収めている。ITER計画および、中国による核融合炉の自主設計・運用に向け、科学的・技術的基礎をしっかりと打ち立てることを目標としている。