2012年04月23日-04月27日
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都市家庭の平均ネット速度、2015年には20Mbpsに

2012年04月25日

 工業情報化部の尚氷副部長は24日に中国政府網を訪れ、ブロードバンドの普及、ブロードバンド料金、「偽ブロードバンド(値段のわりにブロードバンド速度が遅いこと)」現象などの話題を巡りネットユーザーと交流した。人民日報が25日付で報じた。

 ▽2015年までに農村家庭のブロードバンド速度が4Mbpsに

 尚副部長は「国はブロードバンドの発展を非常に重視しており、すでにブロードバンド普及・スピードアッププロジェクトを始動している。『第12次五カ年計画(2011-2015)』期末までに、ブロードバンド利用者を2億5千万件とし、都市家庭の平均ブロードバンド速度を20Mbps以上、農村家庭の平均を4Mbps以上とする」と述べた。

 中国におけるブロードバンドの発展は地域間、都市・農村間でアンバランスが生じており、特に農村の僻地では通信インフラが比較的薄弱だ。工業情報化部は今年、ブロードバンド普及・スピードアッププロジェクトの中で特別資金を割り振り、2012年には行政村1万8千カ所にブロードバンドを敷設する。

 ブロードバンド普及・スピードアッププロジェクトは、「光ファイバーネットワークを構築し、スピードを向上し、普及を促進し、利用を拡大し、料金を引き下げ、人々の生活に恩恵をもたらす」を目標としている。同プロジェクトの2012年の段階的な目標は以下の通り。

 (1)全国の家庭3500万世帯に光ファイバー通信網を普及させる。

 (2)2011年の全国ブロードバンド利用者のうち、4Mbps以上の利用者の割合は約40%。スピードアップ後、この割合を10ポイント引き上げる。

 (3)2011年の家庭ブロードバンド普及率は29%。スピードアップ後、この割合を5ポイント引き上げる。

 ▽様々な要素に影響を受けるネット速度

 「私は2Mbpsのブロードバンドを利用しているが、ダウンロード速度は200キロバイトほどしかない。ネット速度が大幅に落ちているが」とのネットユーザーからの質問に、尚副部長は「これは単位の違いによるものだ」と説明した。

 尚副部長によると、一般的に言うMbpsとはメガビット毎秒であり、ダウンロードするときの速度はキロバイト毎秒で表す。1バイト=8ビットなので、2メガビット毎秒は256キロバイト毎秒となる。

 尚副部長はまた、「実際のネット速度は様々な要素に影響を受ける。家庭からコミュニティもしくは市内の回線までは2Mbpsだったとしても、最終的にウェブサイトにつながるまで2Mbpsとは限らない。これは、例えば車で外出した時、家の前の専用道路まではスピードが出せても、街に入ると信号や交差点、高速の料金所などで止まらなければならないのと同じだ。また、パソコンのスペック、共有ネットワークの利用者数、アクセスするサイトのサーバ処理能力、大勢のアクセスが集中するなどの要素もネット速度に影響する。このため、利用者が実際に感じるネット速度は確かに契約時の速度よりも遅く感じるだろう。実際の速度は契約速度の50%-80%でしかない」とした。

 尚副部長は「利用者が実際に感じるネット速度を高めるためには、基礎電気通信企業とインターネット企業が共に努力しなければならない。例えば投資の拡大、都市規模ネットワーク・省規模ネットワークの増加、全国基幹ネットワークの容量増加、相互接続の容量増加、サイトの帯域幅、サーバの処理能力向上などだ」と述べた。

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