2012年05月07日-05月11日
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「海洋石油981」が南中国海で初掘削に成功

2012年05月10日

 9日午前9時38分、命令を受けた作業員の操作によって深さ1500メートルの海底でドリルビットが動き出し、中国初の独自開発の第6世代半潜水式掘削プラットフォーム「海洋石油981」が香港の南東320キロの南中国海で成功裏に掘削を開始した。中国の石油会社による初の深海ガス油田の単独探査・開発であり、中国の深海石油戦略が具体的な一歩を踏み出したことを意味する。新華社のウェブサイト「新華網」が9日付で伝えた。

 「海洋石油981」の重量は3万トン以上、船底から櫓頂までの高さは137メートルで45階建てのビルに相当する。設備の先進度はさておき、このような非常に巨大な物を広大な海に建築するというだけでも、その難しさは容易に想像できる。

 「海洋石油981」は南中国海の開発のために「テーラーメード」された。世界で初めて南中国海の厳しい海況を考慮して設計された掘削プラットフォームであり、200年に一度の台風にも耐えられる。「北極以外のいかなる海域でも作業を行える」と中国工学アカデミー会員の周守為氏は言う。

 初の掘削には成功したものの、曲海東船長は「海洋石油981」は近く最初の本当に大きな試練に直面すると指摘する。「南中国海の気象条件は複雑で、間もなく季節風の時期を迎える。どうやって船体の安定を保ち、掘削作業に影響が生じないようにするかは厳しい試練だ」。

 「海洋石油981」は160人の作業員のために進んだ生活施設も配備し、快適な生活環境を用意している。

 整った授業員宿舎、明るい食堂に加え、ジムやランドリーも備え、余暇には卓球やダンベル上げをすることができる。作業服は担当者が回収し、ランドリーでまとめて洗濯する。また、冷蔵倉庫には新鮮な野菜が大量に貯蔵されている。

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