2012年06月04日-06月08日
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宇宙船「神舟9号」の打上げ、各国メディアも注目

2012年06月12日

 中国初の有人ドッキング任務を実施する宇宙船「神舟9号」が9日、キャリアロケット「長征2号F遥9」に搭載され、酒泉衛星発射場の発射区へと運ばれた。これに伴い、ドッキング目標機「天宮1号」と「神舟9号」との有人ドッキング任務は最終的な準備段階に入った。計画によると、「神舟9号」は今月中旬に機会を見て打ち上げられる。国際社会・メディアも今回の打上げに高く注目している。人民日報が12日に報じた。

 ▽中国初の女性宇宙飛行士に集まる注目

 シンガポール「聨合早報」は11日、「注目を集める中国の有人ドッキング。これにより、中国の宇宙技術はさらなる飛躍を果たし、これまで宇宙飛行士が宇宙空間で長期滞在できなかった現状が打破される。楊利偉飛行士が8年前に有人宇宙飛行に成功して以来、中国の宇宙事業は大きな発展を遂げた。現在の国際宇宙ステーションが退役後、中国は有人宇宙ステーションを有する世界で唯一の国となる可能性がある。有人ドッキングだけでなく、中国初の女性宇宙飛行士が誰になるのかにも注目が集まっている」と報じた。

 RIAノーボスチ、イタルタス通信社などのロシア大手メディアも、こぞって「神舟9号」打上げのニュースを取り上げた。多くのメディアは中国の宇宙技術や有人宇宙飛行の発展を振り返り、また中国初の女性宇宙飛行士に注目するメディアもあった。

 メキシコ紙「ラ・ホルナダ」も、中国初の女性宇宙飛行士がまもなく誕生するというニュースを大々的に報道したほか、中国宇宙事業の輝かしい成績を振り返り、中国の宇宙事業は活力ある発展を遂げているとした。また、「中国の国際宇宙ステーション計画への参加は、米国から反対されたが、それでも中国独自の宇宙ステーション建設計画を阻止することはできない」とした。

 「東アフリカテレビ(EATV)」は10日、「中国の宇宙飛行士は今回の任務において手動ドッキングを行うほか、中国初の女性飛行士も誕生する見込み。中国は宇宙大国の夢を実現しつつある」と報じた。

 ▽北京五輪に次ぐ壮挙

 エジプト紙「アルアハラム」の関係者は「米国とソ連は、有人宇宙飛行事業の発展において多くの命を失ったが、中国は今に至るまで着実に事業を進めている。中国は米ロとは全く違う有人宇宙事業発展の道を歩んでいる。中国の発展は跳躍的であり安全だ。これは人類による将来の宇宙探査にとって重大な意義を持ち、人類の宇宙事業の要となる。神舟9号の打上げは中国にとって北京五輪の成功に次ぐ壮挙となるだろう」とした。

 アフリカのニュースサイトは10日、「宇宙船『神舟9号』には今回、男性2人、女性1人の計3人の宇宙飛行士が搭乗する予定。今後数日間にわたり、神舟9号、ロケット長征2号F、および地上システムのテストが行われる。国力増強に伴い、中国は2003年以降宇宙計画を着実に推進し、世界で3番目に有人宇宙飛行技術を掌握する国となった」と報じた。

 インド紙「ザ・タイムズ・オブ・インディア」のウェブサイトは10日、「中国は今回の(神舟9号の)任務により、すでに有人宇宙飛行計画を放棄した米国を追い抜くだろう。このハイテク・ビジネス分野で残ったのは今や中国・ロシアの2カ国のみとなった」と報じた。

 イランメディアは「米国はこれまで国際宇宙ステーション計画から中国を排除してきた。しかし中国は自身の努力により、宇宙事業を飛躍的に発展させた。神舟9号の打上げは成功するだろう。そして遠くない未来、中国は月や火星の探査を行う能力を持つだろう」とした。

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