2012年06月04日-06月08日
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中国初の有人ドッキング、まもなく実施

2012年06月12日

 ドッキング目標機「天宮1号」は昨年9月29日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられて以来、すでに256日間にわたり飛行を続けている。有人宇宙飛行部門が明らかにしたところによると、「天宮1号」の飛行状態は正常で、すでにドッキング軌道にまで高度を下げ、宇宙船「神舟9号」の到来を待っているという。北京晩報が11日に報じた。

 ▽中国初の有人ドッキング

 中国有人宇宙飛行プロジェクトの周建平総設計師は「神舟9号と天宮1号はまもなく中国初の有人ドッキングを行う。これにより、中国の宇宙船は真の意味で人を乗せて宇宙と地上を行き来する手段となり、人を宇宙ステーションやスペースラボに送り届けることができるようになる」と語る。

 天宮1号は軌道上で長期的に飛行できる中国初の有人宇宙飛行プラットフォーム。その主な任務は、▽ドッキング技術のブレークスルーと掌握に向けた、ドッキング目標機の提供▽長期間軌道上で無人飛行し、人が短期間滞在可能な宇宙実験室プラットホームの構築▽宇宙での科学実験、医学実験、技術試験--など。天宮1号は、中国が初めて宇宙に打上げた科学実験室とも言える。

 天宮1号はまもなく神舟9号との有人手動ドッキング任務を行うほか、宇宙飛行士を初めて迎え入れることとなる。有人宇宙船システム総設計師の張柏楠氏によると、天宮1号の姿勢は安定しており、測量設備の状態も良好、資源も十分であり、内部環境は有人宇宙飛行の要求を満たしているという。

 ▽天宮1号、内部には運動器具も搭載

 宇宙飛行士の「家」となる天宮1号の内部には、特殊な「家具」が設置してある。これまでの有人宇宙飛行計画とは違い、神舟9号の飛行士は天宮1号の内部で長時間滞在する。長時間の無重力状態により筋萎縮や骨量減少が起こるため、飛行士たちは宇宙で運動を行い健康を維持する必要がある。天宮1号には、下肢の筋肉を鍛えるための特殊な自転車、肩や背中の筋肉を鍛えるためのエキスパンダー、下半身に圧力をかけ、血液を循環させるための下半身陰圧負荷装置などが搭載されている。

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