2012年07月23日-07月27日
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中国南車、低床路面電車分野でシーメンスと提携

2012年07月23日

 地下鉄より製造コストが安価で、旅客輸送量はバスを大きく上回る交通手段--低床路面電車が、まもなく湖南省株洲市で生産される。中国南車株州電力機車有限公司はこのほど、ドイツ・シーメンス社と低床路面電車分野の長期協力協定および技術ライセンス契約を締結し、中国で初めて同技術を導入した企業となった。科技日報が報じた。

 100%低床路面電車は中レベルの旅客輸送量を持つ軌道交通システムで、手軽で便利、省エネ・エコ、低騒音、適応性が高いなどのメリットがあり、西側先進国では都市の公共交通として幅広く使用されている。旅客輸送量は1時間あたりのべ2万人、最高時速は80キロ。

 中国の大中都市は低床路面電車分野のスタートが遅く、現在のところ上海・天津のみで開通しているが、全て輸入車両であることから、車両の製造コスト、運営維持費が高い。

 中国南車は、国産低床路面電車が国内ではまだ真の意味で商業運営に至っていない状況に目をつけ、シーメンス社と技術提携を結び、プロジェクトを湖南省に導入した。

 中国南車株州電力機車有限公司の徐宗祥総経理は「当社は機関車・都市鉄道などの分野でシーメンスと長年にわたる交流経験を持ち、多くのプロジェクトで提携してきた」と語る。今回の提携で、シーメンスは中国南車に低床型路面電車・コンビーノの車両製造技術を譲渡する。中国南車は今年中に試作車の生産能力を備え、試作車は今年末から来年初めにかけてラインオフする見通しだ。

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