7月24日夜から25日にかけ、世界最大の水力発電プロジェクト「三峡ダム」は観測史上最大の洪水ピークを迎えた。しかし、同じ洪水でもこれまでとは違う。かつては人々を苦しめた洪水も、今は三峡ダムによって調整され、長江中下流の人々の命と財産が脅かされることはなかった。押し寄せる洪水は一種の資源となり、三峡ダムの発電ユニットによってクリーンエネルギーに転換され、人々に恩恵をもたらした。新華網が報じた。
24日夜、三峡ダムへの流入量は毎秒7.12万立方メートルに達し、三峡ダムは建設9年以来最大の洪水ピークを迎えた。しかし、ダムの合理的な調整により、ダム下流の各地点における水位上昇幅は制御可能範囲内に押さえられている。
洪水に伴う流量増加により、三峡ダムの発電ユニット32基はすでに12日間連続でフル稼働を継続、発電量は60億キロワット時を上回った。これらの電力は送電網を通じて配分され、夏の電力不足を緩和するのに役立っている。
中国工程院の陸佑薯ニ院士によると、三峡ダムは増水期の終わりごろに貯水し、乾季に放流量を増やすことで、長江中下流の干ばつを緩和するのに役立つという。
幾度かの洪水ピークを経験し、中国人の「治水」・「用水」の方法と理念は徐々に成熟しつつある。