2012年10月15日-10月19日
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中国、20年までに11基の気象衛星打ち上げ計画

2012年10月25日

 国務院はこのほど、「中国の気象衛星およびその応用発展計画(2011-2020年)」を審議の上可決した。同計画では、2020年までに11基の気象衛星を打ち上げ、気象衛星およびその応用水準を同時期の世界先進水準に近づける等の目標が提起された。初歩的な計画投資額は217億4200万元。人民日報が報じた。

 同計画によると、中国気象衛星の2020年までの発展目標は以下の通り。

 ▽静止気象衛星「風雲4号」:「2衛星運行、軌道上での相互バックアップ」という業務構造を構築する。

 ▽極軌道気象衛星「風雲3号」:午前軌道衛星・午後軌道衛星・降水測定レーダー衛星の3基によるネットワーク観測能力を確立し、気候変動のモニタリング能力を高める。

 ▽国家・省・地級市・県の4レベルのリモートセンシング応用業務体系を打ちたて、衛星の応用を安定的に発展させる。

 ▽気象災害、気候変動、水利、林業、農業、生態、海洋などの面のモニタリング能力を大幅に高め、中国の気象衛星および応用水準を同期の世界先進水準に近づける。

 国家衛星気象センターの楊軍主任は「中国は今、気象衛星強国になりつつあり、世界的にも重要な影響力を持つ。同計画の実施は、防災・減災能力のさらなる強化、予報・予測の正確さ向上、気候変動への対応力強化、経済社会の持続的発展と国家安全の保障、中国の世界的な影響力向上にとって重要な意義を持つ」と指摘する。

 中国は1988年に最初の気象衛星を打ち上げて以来、すでに12基の気象衛星の打ち上げに成功している(現在軌道上では7基が運行中)。近年、中国の気象衛星およびその応用事業は急速かつ健全な発展を見せており、中国のリモートセンシング衛星の中で他に先駆けて試験応用型から業務サービス型への転換を実現し、気象衛星の業務化・シリーズ化発展という喜ばしい成果を実現した。

 中国はすでに、米国とEUに次いで極軌道衛星と静止衛星という2種類の業務気象衛星を同時に有する国となった。また、中国の気象衛星「風雲」は世界気象機関(WMO)から地球観測衛星の一つに指定されており、世界の地球総合観測システムの一端を担っている。

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