グーグルマップのライバルとも言われる中国の地図サービスサイト「天地図」がこのほどバージョンアップを終えた。「天地図」は中国が自主開発した「公式地図サービス」として厚い期待が寄せられ、発表当初には幅広く注目を集めたが、「ほとんど国外の画像データを使っているのでは」との疑問の声も上がっていた。全国測量地理情報局局長会議で明らかになったところによると、新バージョンの「天地図」では、中国の測量衛星「資源3号」の画像データが大量に使用されており、政務版は「中央政府ポータルサイト」でも採用されているという。人民網が伝えた。
バージョンアップした「天地図」のサイト(www.tianditu.cn)にアクセスしたところ、旧バージョンと比べてスピードが明らかに向上し、ユーザーエクスペリエンスが大きく改善され、検索もよりスピーディかつ精確になっていた。測量地理情報局によると、新バージョンで新たに採用された検索エンジンの性能は60倍に向上しており、ページデザイン・ルート検索・レイヤー切り替えなどの機能も改良されたほか、ユーザーによる障害報告機能も追加され、全体的な性能は3倍以上向上したという。
画像データ面では、これまでネット上で批判されてきた「ほとんど国外の画像データを使用している」点が大きく改善され、衛星「資源3号」が提供したデータの面積が140万平方キロメートルに達した。
このほか、「天地図」モバイル版も同時にアップグレードされ、IOS、Android、Windows、symbianという4種類のスマートフォンOSに対応しているという。
新しい「天地図」は教育部(教育省)、全国組織機構コードサービスセンター、民政部国家減災センター、中国証券監督管理委員会などの政府部門で使用・認可され、一部の企業では「天地図」をベースとした付加価値サービスを提供している。
業界関係者は「天地図の性能は来年さらに向上する。今回のアップグレードは、グーグルマップに対する競争力を高めるためだ」との見方を示す。