人工心臓装置を埋め込まれたヒツジ「天久」は24日の時点で生存期間が72日に達し、中国国内で第3世代心室補助装置を埋め込まれた動物の最長生存期間を樹立した。科学者らは同研究成果を国家食品薬品監督管理総局に申請中で、心不全患者に提供するため来年末の製品化を目指している。光明日報が伝えた。
プロジェクト研究開発を担当した、泰達国際心血管病医院の劉暁程院長は、「これは中国の第3世代心室補助装置の研究が画期的な進展を実現したことを意味する。同技術は米国と同じ発展水準を維持しており、100%独自の知的財産権を持ち、世界先進水準に達し、国内の空白を埋めた。第3世代心室補助装置の移植は、体にもう一つの重要な心臓を移植するようなものだ。心臓補助装置は血液供給を行い、心臓の負担を軽減できる」と語った。人工心臓の移植は、2つの心臓の調和の問題を解消すると同時に、溶血・凝血・血液両立性・組織両立性といった一連の問題を解消する必要がある。
「天久」の健康状態は良好で、心拍数・血圧がいずれも正常で、血液中の各種生物化学指標も正常値に達しており、手術前より2キロ太ったほどだ。
劉院長によると、世界では約8000万人の心不全患者がおり、中国国内だけでも1600万人以上に達する。末期の心不全については、中長期の死亡率が高く、循環補助と心臓移植の他に、現時点では効果的な治療法が存在しない。心臓の提供数が不足しており、患者の需要を満たせず、多くの患者が待機中に死亡している。
劉院長は、「すでに自ら人体実験に使って欲しいと希望する4人の患者から連絡を受けた。しかしこれは急ぐべきことではなく、さらに現在の基礎を踏まえた上で装置を改良し、動物実験を行う必要がある。年末もしくは来年の初め頃に国家食品薬品監督管理総局に申請し、認可を得てから人体実験段階に入ることができる。中国の工学・医学専門家の提携により、近い将来に中国製の人工心臓が作り出せるだろう。すべてが順調ならば、2014年末か2015年初め頃に製品化され、心不全患者に提供されるだろう」と語った。