ウェアラブル端末やスピーカーなどを開発・販売する米国のJawbone社はこのほど、ウェアラブルヘルス機器を開発するBodyMedia社を1億ドルで買収した。このニュースが伝わると、グーグルグラスの発表に続き、ウェアラブルテクノロジーに再度注目が集まった。人民日報が伝えた。
グーグルグラス、スマートウオッチなどのウェアラブル端末は、現在のハイテクノロジーの代表だ。服やアクセサリーのように常に身につけ、さらにカメラを通じてインタラクティブな使用ができるウェアラブル端末は、これまでのコンピュータの定義を覆した。ウェアラブル端末の発展は、コンピュータ技術、センサー技術、無線技術など、様々な技術の融合を意味する。短期的には携帯電話やコンピュータほどに普及しないかもしれないが、グーグル、ナイキ、Jawboneといった大企業が研究開発に巨額を投じていることから見ても、同分野の発展の見通しが明るいことは間違いない。
ウェアラブルコンピュータの概念は1960年代に提起され、20世紀末ごろから徐々に生活に応用され始めた。スマートウォッチ「Pebble」などが代表的な製品だ。しかし何といっても今、最も注目を集めているウェアラブル端末はグーグルグラスだろう。ベータ版が一般公開されているグーグルグラスは、スマートフォンの全ての機能を兼ねそろえ、レンズには小型ディスプレイが取り付けられている。ユーザーは手を一切使わなくてもネットサーフィンや、テキストメッセージ・電子メールの送信ができる。グーグルグラスはさらに、声で操作して写真を撮影したり、頭を軽く振るだけでカーソルを動かし、クリックすることができる。ベータ版を手に入れたある中国人ユーザーによると、「OK Glass, Take a picture」と口で言うだけで、目の前の景色をすぐに撮影できるという。
もちろん、グーグルグラスにもまだ改良の余地があるかもしれない。ベータ版を手に入れたユーザーの中には、称賛する人がいる一方で、批判も少なくない。しかし言えるのは、このメガネ型端末の魅力に抗える人はいないということだ。人類は視覚に頼って生きる動物であり、外界の情報の98%を眼球を通じて得ている。グーグルグラスの魅力はまさに、人の視界を一新し、世界を変えた点にある。
グーグルグラスを代表とするウェアラブル端末は、便利で効率的かつ前衛的といった特徴を持ち、ヘルス・テクノロジー・インテリジェントといった概念を掲げ、たちまち認知度が上がった。
今は発展の初期だが、関連製品は頭から足、衣類からアクセサリーにいたるまで、すでに人体の各部位、様々な業界・分野に広がっている。例えば、太陽電池を縫い合わせたソーラービキニは、浜辺で電子機器を充電できる。発電する靴底は、足の裏の熱を電気エネルギーに転換できる。このほか、キーボードがジーンズに埋め込まれた「キーボードジーンズ」、デザインを自由に変えられるワンピース、運動量や健康状態をモニタリングできるブレスレットなどはいずれも、一般人にも手の届く製品となっている。
ウェアラブル端末は現在のところ、価格が高すぎる、機能が単一的といった要素に制約され、まだ本格的に一般家庭に普及してはいない。しかしかつて、コンピュータがモバイル端末に地位を譲った時も同様の状況が見られた。
ウェアラブル端末の将来はアップルやマイクロソフトなどのIT大手からも有望視されており、ユーザーからも期待が寄せられている。米調査会社ガートナーは、ウェアラブル端末の市場規模が2016年までに100億ドルを超え、未来のトレンドとなると予測している。