2013年07月01日-07月05日
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スマホ認知症 記憶力低下に注意

2013年07月01日

 スマホは若者の娯楽、情報収集、社会的コミュニケーションの主要手段になっており、スマホから離れられないという人も少なくない。武漢大学中南医院神経内科の肖勁松准教授はこのほど、「若い『デジタル認知症』の患者が増加中だ。スマートなデジタル製品に過度に依存することで注意力が低下し、記憶力が退化する。深刻な場合、自分の電話番号さえ覚えられなくなる」と語った。武漢晩報が伝えた。

 ◆スマートフォンを長年使っても、母親の電話番号しか覚えられない

 武漢鋼鉄の設備管理部に勤務する張波さん(35)は携帯電話が大好きで、スマホをすでに長年にわたり使用している、最も早い「スマホファン」だ。張さんは、「いつも暇があれば携帯電話で遊び、一日に少なくとも4-5時間は費やしている」と語った。

 張さんは近年になり記憶力が低下したと感じるようになり、電話番号、数字、人名などを忘れることが多くなった。「今は母の番号しか覚えていない、母の番号には同じ数字が4つあるからだ。妻に電話をかける時は、かけ直すのでなければ、思い出すのにしばらくかかる。上司から何かを指示されても、三歩も歩かないうちに忘れてしまうことがある。友人も私と同じようなことがあると語っていた」

 ◆6割が記憶力低下

 記者は「スマホ所有率、使用習慣・時間」に関するアンケート調査を実施した。対象は18-64歳の人で、有効回答数は337人。

 スマホの所有率は若者が最も高かった。調査によると、3Gのスマホを所有している人は304人で、全体の90%を占めた。そのうち85%は18-40歳となった。2Gの携帯電話を使用している人は33人で、そのうち29人が55歳以上となり、2人が携帯電話を使用しないと回答した。

 スマホを5年以上使用している人は94%、8年以上は52%となった。1日のうち携帯電話を使用する時間が4時間を超える人は58%、2時間を超える人は85%となった。1時間を超えないと回答した人は10%のみとなった。

 携帯電話の使用目的は、微信(スマホ向け無料メッセンジャーアプリ)、QQ(インスタントメッセンジャー)、通話、ショートメール、ゲーム、ネット検索、音楽、ホームページ・ニュースの閲覧の順となった。

 スマホを使用している人のうち、60%以上の若者は記憶力が低下し、忘れっぽくなったと回答した。

 ◆スマホの進化、脳の退化

 肖准教授は、「電子機器は人類の生活に利便性をもたらすと同時に、人類の記憶力を損ねている。若者の記憶力低下は、普遍的な現象となった。記憶は技術的なものであり、刺激と訓練の繰り返しが必要だ」と指摘した。

 肖准教授は、「電子機器の最大の長所は利便性であり、どこにいても必要な情報を獲得できる。デジタル製品への過度な依存、情報検索が記憶力よりも重要な位置を占めるに伴い、脳の記憶を司る部分が怠けるようになる。記憶力が十分に訓練・刺激されず怠けた状態になっていれば、記憶力は自然と低下し、集中力の欠如、記憶力の停滞、忘れっぽいといったことが起こる」と説明した。

 マルチメディア時代においては大量の情報に触れ、これを処理しなければならない。電子機器への過度な依存により、大量の「ゴミ情報」が脳に流れ込み、記憶を妨げ、役立つ情報に対する処理能力を低下させる。肖准教授は、「人の記憶は、主に脳の海馬体が司る。しかし記憶力を使わなければ、海馬体が萎縮し、最終的に記憶量が減少する。このような影響は、脳が発育段階にある青少年に最も深刻な影響を及ぼす」と警鐘を鳴らした。

 また電子機器を長時間使用することで、睡眠不足や不眠症を引き起こし、注意力と記憶力を低下させる。肖准教授は、「脳を頻繁に使用しないことで、認知症になる可能性が大幅に引き上げられる」と述べた。

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