ラジオ「中国之声」の「ニュース・新聞ダイジェスト」によると、改正された「国家核緊急マニュアル」が7月3日に公表された。中国は国・省・核施設稼働部門および上級主管部門による、3レベルの核緊急管理体制を敷く。中国広播網が伝えた。
今年3月末時点で、中国の原子炉は45基に達した。そのうち17基が稼働中で、28基が建設段階にある。建設中の原子炉の数は世界最多で、原発事業が体系化・規模化の高度発展段階に入った。ブン川地震(ブン=さんずい+文)や福島原発事故などの経験を経た現在、「国家核緊急マニュアル」の改正はタイムリーであった。国家核事故緊急対応弁公室の姚斌副主任は、「新たなマニュアルの国家核緊急対応の原則は、統一指導・級別管理・平時と戦時の結びつけ・軍と地方の協力・迅速な反応・科学的処理だ」と語った。
2005年版と比べ、新マニュアルは中国核緊急対応の組織管理体系を明確にし、国・省・核施設稼働部門および上級主管部門による、3レベルの核緊急管理体制を強調した。中国国家国防科技工業局核緊急安全司の許平副司長は、「同マニュアルは中国国内の核施設、および関連する核活動で発生した、もしくは発生しうる核事故に適用され、燃料輸送事故や、核エネルギー搭載の宇宙船の墜落事故などにも適用される」と説明した。
3レベルの管理体制に基づき、事故が発生した場合には最前線の原子力発電所の他に、企業の最高の枠組みであるグループも責任を追及される。中国広核集団の安全・情報部副総経理の李靖氏は、「原子力発電所の運営部門が原発の運営責任を負うが、原発グループに所属する発電所は多いことから、グループが傘下の原発の責任を負わなければならない。これは福島原発事故の教訓を十分に反映したものだ」と述べた。
福島原発事故後、中国各地では「塩騒動」が生じた。新マニュアルでは「核施設核事故緊急対応」という項目が設けられ、中国の核事故緊急対応を4レベルに分けた。許氏は、新マニュアルは狙いを明確にし、実行可能性が高まったと指摘し、「今回の新マニュアルにより、緊急対応のタイミングが早まった。万が一核事故が発生した場合、迅速かつ科学的に対処できる」と語った。
中国国家核緊急対応技術支援センターの胡金武主任は、「中国は国家核緊急対応、核緊急モニタリング、放射能汚染防止など8つの専門的な技術支援センター、6つの緊急救助分隊、環境・海洋・食品・飲用水の4つのモニタリングネットワークを設置しており、各種核緊急対応訓練を300回以上実施している。過去数十年間で、中国の核施設では2級以上の事件・事故が発生していない」と指摘。「すべての面の能力が強化されている。同計画の実施が完了すれば、技術水準が新たな段階に入り、大国の水準に達することになる」と語った。
姚氏は、「中国の核緊急対応能力と総合的な国力により、中国は核事故が発生した際の緊急対策を徹底する能力・実力・自信を持っているため、安心できる」と指摘した。