2013年08月19日-08月23日
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ビッグデータ 「ひみつ道具」で圧縮・復元が自由自在に

2013年08月21日

 形なき情報の波は往々にして、形あるハードの追随を許さない。ビッグデータ時代には、「無限大」の保存空間が必要なのだろうか?科技日報が伝えた。

 数理工学博士の張春成氏はあるスキャン画像を指さし、「このファイルは23MBあるが、特殊なアルゴリズムにより新たなフォーマットに変換すれば、容量は24KBのみになる。さらにこれを戻してみよう」と語り、ファイルを元の容量に戻した。これを開くと、画質には変化がなかった。

 使わない時は圧縮し、使う時に解凍する。画像や動画を魔法のように圧縮・解凍する張氏は、丸顔なことも手伝って、さながらひみつ道具を出すドラえもんのようだ。張氏は四次元ポケットから「スモールライト」を取り出し、画質を損ねることなく画像や動画を圧縮した。

 「この新フォーマットは海外のPDFやMPEG4などによる独占を打破するだろう。新フォーマットはクラッキングされにくく、国家情報安全の向上につながる」。張氏は2008年に日本留学から帰国し、北京黔竜泰達科技発展有限公司を創業し、画質を損ねない画像・動画圧縮技術を発表した。「自らのコーデックがあれば、他者の言いなりになることはない」。

 張氏によると、同技術を使えば、画像を本来の100分の1、さらには1000分の1の容量にできるという。圧縮の割合は、解凍後の画質に対する要求によって異なる。データで「満腹」になったサーバーを「腹ごなし」させれば、運転の余地ができる。張氏は独自のアルゴリズムによりビッグデータを圧縮し、伝送・管理・利用の難題を解消した。

 張氏は1枚の画像やファイルをそれぞれ異なる画像・文字領域に分け、動画を1枚また1枚とつながる画像に分けることができる。

 張氏は分解と複合を得意とする。これらの元素は十分に分解されているため、「一つのプラットフォームに統一して置かれ、画像の文字を手がかりとすれば、画像を見つけることができる」という。張氏が創業した企業が開発した画像・文書検索プラットフォームは、3億枚の画像・動画のデータを収めており、100種類以上の言語を識別できる。

 ZCC(圧縮により画質が低下しない、カラー画像を検索できる技術)、ZCV(圧縮により画質が低下しない、動画変換技術)など、張氏の新しいアルゴリズムは元の画像・ファイル・動画の容量を本来の100分の1から10分の1にし、大量のデータの発掘・分析のツールを提供した。

 張氏は、「高画質動画の容量を10分の1に、一般的な画質の動画を8分の1に圧縮すれば、現在のブロードバンドでも気軽に伝送でき、3Gワイヤレスのバンド幅でも十分だ。これにより固定ブロードバンドでしか見れなかった動画も『モバイル』で楽しめるようになる」と述べた。

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