陝西省の西安咸陽国際空港の付近でこのほど、唐代の墓が発見された。墓は保存状態が悪く、発掘された副葬品は多くなかった。しかし考古学者は一つの墓誌銘から、墓に眠っているのが唐の有名な女性政治家の上官婉児であると判断した。現場はすでに封鎖されており、考古学者は墓の処理と発掘を進めている。光明日報が伝えた。
上官婉児(664-710年)は唐の陝州(現在の河南省三門峡)の出身で、唐の女性政治家であっただけでなく、則天武后の側近、唐中宗の側室、武三思の情婦だった。
歴史資料によると、上官婉児は祖父の上官儀が則天武后に処刑された後、その文才により則天武后から重視され、最も信頼される側近となった。上官婉児はその後、唐中宗・李顕に嫁ぎ、法令の起草と発布を担当した。則天武后の甥の武三思が権力を拡大すると、上官婉児は武三思と姦通した。李隆基が710年に政変を起こし、韋皇后を処刑すると、「八方美人」の上官婉儿は忠誠を示すことができず処刑された。上官婉児がその後どこに葬られたかについては、これまで謎とされてきたが、墓の発見に伴い、この謎がついに解かれることとなった。上官婉児の墓の発見、特に墓誌銘の出土は、唐の歴史の研究にとって非常に重要な意義があるという。