2013年10月07日-10月11日
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NFC技術 通信キャリアと金融機関が提携、普及を促進

2013年10月14日

 財布にカードや現金を入れていると、置忘れやスリの被害を心配することはないだろうか。携帯電話に財布の機能を持たせれば、よりクールで便利になる。北京青年報が伝えた。
 中国銀行上海市分行と上海浦東発展銀行上海市分行はこのほど、それぞれお財布携帯業務の提供を発表した。携帯電話のNFC(近距離無線通信)決済は銀行カードに似ているが、より便利でスムーズな決済を実現する。
 パン屋でパンを購入する際に、携帯電話をかざすだけで決済できるならば、紙幣を触った手でパンを汚す心配はない。これは素晴らしいことではないか。
◆携帯電話が新たな財布に
 フランス、韓国、日本などの一部の都市で、NFC決済は珍しくない。日本では現在5000万人以上のユーザーが携帯電話のお財布機能を利用しており、普及が急速に進められている。
 NFC技術は泉のようなもので、新時代の決済方法を育む。NFCはモバイル機器、電子機器、パソコン、スマート端末の間で使用できる。
◆NFCの解決すべき課題とは
 現金を使わない取引に対して、ユーザーは懸念を抱かざるを得ない。モバイルネットワークの発展に伴い、ユーザーの個人情報に対する安全意識が高まっている。実際にモバイル決済には潜在的なリスクが存在し、通信キャリアと金融機関がこれを検討し、回避方法を模索する必要がある。
 ユーザーは携帯電話の情報、データ処理に余り注意を払わない場合が多い。理論上、ユーザーがNFC決済機能を利用する際に、携帯電話の発する無線信号が「トロイの木馬」に妨害される可能性がある。
 携帯ウイルスの氾濫というモバイルOSの安全リスクも懸念される。多くのオープンソースのモバイルOSにとって、ユーザーによるNFCの利用、システムの改造が安全上の不備を生む可能性がある。個人の銀行口座情報がハッカーに盗まれる事例は少なくない。
 ユーザーが被る可能性のある損失を減らすために、グーグルはモバイル決済サービス「Google Wallet」を提供した。ユーザーはグーグルのアカウントで、取引に関する全情報の削除などが可能だ。
 NFC技術はモバイル決済をシンプル・便利・スムーズにしたが、モバイル決済の主流になるためには、通信キャリア・金融機関・端末メーカー・ソフト開発者などの協力により、ウィンウィンのビジネスモデルを構築する必要がある。ユーザーの需要を巡り最良のサービスを提供し、ユーザーの使用習慣およびモバイル決済の需要を育てなければならない。
 将来的にNFC決済が銀行カード・クレジットカード・現金に代わるとは限らないが、安全性を確保すれば既存の決済方法を補完するものとなり、財布を軽くできるはずだ。

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