ミサイルの民間利用と聞くと、摩訶不思議な物語のように聞こえる。しかしミサイル技術を高層ビルの消火に応用した新製品が、この夢を現実のものとした。解放軍報が伝えた。
高層ビルの消防は、常に世界的な難題である。高層ビル消火システムは、この難題を解決するため開発された。同システムはホーミング技術を利用し、「消火ミサイル」の遠距離発射を実現した。100メートルの高層ビルの窓にミサイルを正確に撃ち込むことで、高層ビル・超高層ビルの火を迅速に消火する。
同システムのチーフエンジニアの邱旭陽氏は、「同システムは高集約化・高技術力などの特長を持ち、1台のみで消防作業を実施し、前進・後退の操作もボタン一つで実現できる。そのシャーシーは都市の一般道路に適しており、迅速な移動と反応が可能だ。遠距離からの消火活動により、人命救助の貴重な時間を稼げる」と説明した。
同システムを開発したのは、中国最大のミサイル武器開発・生産企業である、中国航天科工集団公司だ。同システムは宇宙事業の打上げ技術・コントロール技術・情報処理技術を採用し、消防の需要に応じさまざまな種類の火災に対応できる。また建築物や人に二次被害をもたらさず、特に都市の複雑な環境における消防救助に適している。
高層ビルの林立する都市部のみならず、果てしなく続く広大な森林に対しても、「消火ミサイル」を使用できる。中国の消防技術の空白を埋めるハイエンド消防設備、長距離赤外線センサーで自動的に森林火災を発見する「消火ミサイル」が、このほど正式に公開された。同製品は赤外線技術を利用し、発火点を遠距離から探知し、発射車両により「消火ミサイル」を発射する。ミサイルは飛行中に発火点を自動的に見つけ、スムーズな消火を実施する。