2014年01月06日-01月10日
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個人宇宙旅行が中国進出、早ければ2014年に実現

2014年01月10日

ハイエンド旅行商品を取り扱う中国の旅行会社「探索旅行」は2013年12月27日、宇宙旅行事業を展開するSXC(Space Expedition Corporation)社と正式に契約を交わした。世界で最も先進的な個人宇宙旅行が中国市場に導入され、中国人からの予約を受け付けることになり、早ければ2014年に宇宙旅行が実現される。科技日報が伝えた。
本紙記者は宇宙旅行の具体的な内容について、探索旅行の張勇CEOを取材した。

◆宇宙旅行の参加者の条件は?
SXCのパンフレットには、18歳以上で心身共に健康であれば、SXCの宇宙旅行に参加できると書かれている。宇宙旅行前の準備には、次の内容が含まれる。初めに身体状況をチェックし、血圧・視力・聴力・敏感度を検査する。次に訓練を実施し、今回の任務の科学目標について詳細な説明を受ける。

  ◆宇宙旅行の費用は?
 張CEOは、「SXCの宇宙旅行に使用されるのは、宇宙開発ベンチャーXCOR(エックスコア・エアロスペース)の新型宇宙船Lynx Mark IとLynx Mark IIだ。前者は2014年の飛行開始を予定しており、高度は61キロに達し、費用は9万5000ドル。後者は2015年に飛行を開始し、乗客を高度103キロの宇宙へ到達させる。この飛行高度は、世界が公認する地球と宇宙の境界(高度100キロ)を上回り、費用はコースによって10万ドルと22万ドルに分かれる」と説明した。

 宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティックも、類似する宇宙旅行を発表している。6人の乗客と2人のスタッフが宇宙船「VSSエンタープライズ」に乗船し、地球から110キロ離れた宇宙に到達する。1人当たりの費用は25万ドル。

 ◆航空機との違いは?保険は?
 張CEOは、「宇宙旅行で使用する宇宙船は航空機と形が似ており、離陸と着陸の過程は一般的な旅客機と似ている」と語った。張CEOは通常の旅客機に乗る時との違いについて、「宇宙船はロケットエンジンを利用し、ロケット燃料によって推進力を得る。離陸時の速度は2.9マッハ(時速約3265キロ)に達し、数分間で宇宙に出ることができる」と語った。
 着陸時に乗客は約20秒に渡り、体重の数倍の重力を受けることになる。これも大きく異なる点だ。
 張CEOは、「宇宙船のチケットには保険費用も含まれる。乗客の身体的条件により旅を終えられない場合、保険会社が損失を負担する。また乗客は、傷害保険などを別途で購入できる」と述べた。

 ◆安全性の保証は?
 張CEOは、「当社は宇宙旅行を導入する際にリサーチを実施したが、XCORは過去の数万回の試験の中で、事故を発生させたことがなかった」と話した。
 宇宙船にも安全保障措置が講じられている。まずLynx Mark IとLynx Mark IIは4基のロケットエンジンを持つ。通常ならば、1基のエンジンのみで宇宙旅行を終えることができる。
 次に、宇宙船に搭載されるロケットエンジンは、再点火が可能だ。飛行条件に変化が生じた場合、宇宙船はルートを随時調整できる。
 最後に、宇宙船にはパラシュート付の非常脱出装置があり、アクシデントが発生した場合も、乗客の安全を保障できる。

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