2014年01月27日-01月31日
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中国初の高速列車Wi-Fiシステム、間もなく使用開始

2014年01月28日

 WAPI(中国独自の無線LAN規格)産業連盟が明らかにした情報によると、中国初となる列車乗客向けのワイヤレスネットワークサービス「高鉄動車Wi-Fiシステム」が開発に成功し、近日中に一部の路線で使用される見通しとなった。科技日報が伝えた。
 春運(旧正月に伴う帰省・Uターンラッシュ)が始まってから、「列車内でのWi-Fi接続」が話題になっており、「乗客が車内でWi-Fiサービスを別の乗客に有料提供」といったニュースも伝えられている。これらの「商売」にはストップがかかったが、興味深いことが反映されている。スマートフォンの普及により、ワイヤレスネットワークが情報インフラになりつつある。長い旅路において、乗客はWi-Fiに対して高い需要を持っている。
 同システムの主な開発部門である飛天聯合公司の段世平CEOは、「高速で移動する列車内でWi-Fi接続を提供するためには、特殊な技術的要求があり、家庭内や事務室での接続サービスとは大きく異なる。同システムは一体化ワイヤレス情報応用プラットフォームを提供し、乗客に豊富な情報・娯楽コンテンツを提供し、かつ乗客輸送管理部門に乗務員の管理の場を提供する」と説明した。
 段CEOによると、同システムは主に三つの技術的な難点を解決した。まず列車が高速走行中でも、良好なネットワーク環境を提供した。次に中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)の3G・4Gワイヤレスネットワークの、スムーズな同時接続を実現した。それからサーバーの常用情報に対するリアルタイムデータ保存により、ユーザーに高速の回線速度を提供した。
 段CEOは、「当社が西南交通大学および鉄道関連部門と共同設計・試験を実施した車載Wi-Fiシステムは、これまで1年間にわたり車内試験を実施してきた。近日中に成都市と重慶市を結ぶ高速鉄道で使用される見通しだ」と述べた。
 中国工業・情報化部(省)電気通信研究院、WAPI産業連盟、飛天聯合などの各部門はすでに、地下鉄・都市鉄道用車載ワイヤレスネットワークに関連する技術規格を制定した。これらの規格は現在、鉄道関連部門に報告中で、同規格を採用した製品の試用を実施している。

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