2014年03月10日-03月14日
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中国初の4段階ロケット、今年第4四半期に初打ち上げ

2014年03月10日

 全国政治協商会議委員、キャリアロケット長征3号甲シリーズ総設計者の姜傑氏は、全国両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)の開催期間に記者の独占インタビューに応じ、中国が初めて独自開発した4段式ロケット「長征3号丙/遠征1号」が、2014年第4四半期に初打ち上げを実施すると表明した。中国新聞社が伝えた。
 姜氏は、「これまでの長征3号丙ロケットと異なり、同ロケットは3段式から4段式に追加された。同ロケットはキャリアロケット技術の飛躍を実現した。これは中国の多くの3段式ロケットが今後4段式に変わることを意味する。4段式ロケットの主要任務は、軌道に直接送り込める衛星の搭載だ」と説明した。
 姜氏は、「これまでの3段式ロケットは、衛星を遷移軌道に送り込むことしかできなかった。つまり3段式ロケットの軌道は楕円形で、衛星は円形軌道に遷移する必要があった。改良後の4段式ロケットは、衛星をより遠くの目標軌道に直接送り込むことができ、衛星は軌道を変更する必要がなくなる。3段式ロケットの飛行時間は約30分のみであったが、4段式ロケットは5−6時間をかけ、数万キロ離れた深宇宙に向かうことができる」と語った。
 姜氏は、「同ロケットは中国の衛星測位システム・北斗の試験衛星を搭載し、同システムの今後の衛星打ち上げの検証を進める。同ロケットは、1発のロケットにより1基の衛星を直接軌道に乗せる。2015年には4段ロケットの長征3号乙/遠征1号の初打ち上げを迎える。同ロケットは1発のロケットにより、2基の北斗測位システム試験衛星を直接軌道に乗せる」と述べた。
 姜氏によると、長征3号丙改二型ロケットも2014年第4四半期に初打ち上げを迎える。同ロケットは嫦娥5号の帰還モジュールを搭載し、月探査プロジェクト帰還試験の打ち上げ任務を遂行する。
 姜氏は、「長征3号甲ロケットは2014年第4四半期より、頻繁に打ち上げを実施する時期に入り、主に高軌道衛星および国際商業衛星の打ち上げを担当する」と話した。

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