嫦娥5号の試験機が今年打ち上げへ、帰路を探る案内役に

2014年 3月12日

 月探査機「嫦娥2号」、「嫦娥3号」の顧問を務める葉培建氏は10日、「今年は嫦娥5号の試験機を打ち上げる。しかしこの試験機は月に着陸せず、月に到達後すぐに帰還し、嫦娥5号の帰還に用いるルートを探る」と表明した。科技日報が伝えた。
 葉氏によると、嫦娥5号の試験機は「プラットフォーム」、帰還モジュールという二つのモジュールによって構成される。両モジュールは組立後、西昌衛星発射センターから打ち上げられ、月を巡り帰還する。地球からの距離が数千キロになった時に、プラットフォームが切り離され宇宙に残り、帰還モジュールが地球に帰還する。
 葉氏は、「この任務は非常に重要だ。中国は2017年に嫦娥5号を打ち上げ、無人月探査プロジェクトの第3ステップ『帰還』を実現する計画だからだ。中国はすでに打ち上げ、月への接近、月周回、月面着陸の経験を持つが、帰路をまだ歩んでいない」と述べた。
 葉氏は、「有人宇宙船・神舟、帰還型衛星は7.9km/sの第一宇宙速度にしか達しておらず、かつ地球付近からの帰還であった。嫦娥5号は10.9km/sの第二宇宙速度で月から帰還しなければならない。中国の宇宙船はこの速度を実現したことがなく、これほど遠くから帰還したこともない。任務の成功を保証するため、嫦娥5号の試験機は嫦娥5号と同じ帰還モジュールを使用し、月から順調に帰還し、予定されていた地点に落下できるかを検証する」としたほか、「嫦娥5号の任務には、月面サンプルの収集と上昇が含まれ、中国にとって初となる。月からの離陸も難しく、地球上でのシミュレーションにより同技術を検証する」と述べた。
 葉氏は嫦娥5号の任務の過程について、「この任務では軌道モジュール、帰還モジュール、上昇モジュール、着陸モジュールという4機の宇宙機を打ち上げる。月周回軌道に到着後、軌道モジュールと帰還モジュールは月を周回し、着陸モジュールと上昇モジュールは月面着陸する。着陸モジュールに搭載されているサンプル収集装置は月面での作業を完了後、上昇モジュールの容器の中に収められる。それから上昇モジュールが月面から離陸し、合体した軌道モジュール・帰還モジュールとドッキングし、集めたサンプルを帰還モジュールに移してから分離される。軌道モジュール・帰還モジュールは地球に向かい、数千キロの地点で分離し、最終的に帰還モジュールが地球に戻る」と紹介した。
 葉氏は、「中国は国家宇宙インフラ整備の関連計画を制定中で、今年中に許可が得られる見通しとなっている」と話した。


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