2014年03月17日-03月21日
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中国の3D物体認識アルゴリズム、PCLに収録

2014年03月18日

 国防科学技術大学がこのほど明らかにしたところによると、同校の電子科学・工学学院の院生である郭裕蘭氏が発明した、3D物体の認識に用いる新たなポイントクラウド局所特徴量抽出アルゴリズムが、本田技研の資金援助を獲得したモスクワ国立大学の学者によってC++コードにされ、ポータブル・クラス・ライブラリ(PCL)のリストに加えられた。ポイントクラウド特徴量抽出分野で、中国人学者が作成したアルゴリズムが収録されるのはこれが初めて。中国科学報が伝えた。
 PCLはグーグルやインテルなどグローバル企業の資金援助を受け、世界の数十の著名科学研究機関によって、業界内の優秀なアルゴリズムをCコードに変換し、学会・産業界の発展を促進している。国防科学技術大学の提唱した3D認識の新たなアルゴリズムは、室内ロボット操作、3D地図の測量・作図、3Dデジタル博物館の建設、ナビゲーション・誘導などの分野で、幅広く応用されることが期待されている。
 郭氏は記者に対して、「この回転投影統計法(RoPS)は、人の目が物体を認識することから啓発を受け、3Dのポイントクラウドデータを分析に便利な2Dデータおよび1D統計量に変換した。また回転によりさまざまな角度からの情報を取得し、物体認識の正確度と安定性を大幅に高めた。4つの世界共通のデータベースでの試験結果によると、このアルゴリズムは精度を高めると同時に、視線の遮断、騒音、データ不足という状況下でも卓越した性能を持ち、既存の各アルゴリズムを上回った」と説明した。
 上述したアルゴリズムはこのほど、「International Journal of Computer Vision」誌に掲載された。同誌の5年インパクトファクターは4.856に達し、論文を毎号4−5編のみ掲載する。同誌はコンピュータ視覚分野で最も影響力を持つ世界的な学術誌だ。

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