新疆吐魯番(トルファン)学研究院と吉林大学辺境考古研究センターはこのほど、トルファン地区で出土した「ミイラ」に関する共同研究を行うことで同意に達した。新疆維吾爾(ウイグル)自治区で大規模な「ミイラ」の人類学的調査研究が行われるのは、今回が初めて。中国新聞社が報じた。
トルファンは、「風が多く雨が少ない」「高温・乾燥」という独特の自然環境を備えており、古代人は、遺体を自然乾燥させ、いわゆる「ミイラ」の状態にして保存していた。
今回の研究は、出土した古代人ミイラの骨から170数個を選んで行われる。年代は3000年から2500年前、子供・青年・中年・老人各年齢層の骨が選ばれた。これらの骨は全て包装済みで、吉林大学辺境考古研究センターに搬送され、1年間の研究が進められる。
今回の研究対象となった骨の中に、勝金店墓地から出土した中年男性の骨がある。この男性の頭骨は砕け、左下肢に病変が見られ、義足をつけていた。科学的検証の結果、この義足は、当時世界最古の義肢とされていたイタリア・カプアで見つかったローマ時代の義足より数百年古い、約2300年前のものと断定された。