ドイツ・ハノーバーで開かれた国際情報通信技術見本市「CeBIT 2015」で、アリババ・グループ(阿里巴巴)のクラウドサービス「阿里雲(Aliyun)」が、馬雲会長の切り札になった。アリババのクラウドコンピューティング展示ブースには、グローバル各社の代表者が押し寄せた。阿里雲国際事業副総裁の喩思成氏は、「市場の期待は予想を上回った。このことは、阿里雲の国際化加速を後押しするだろう」と述べた。
報道によると、阿里雲は欧州にデータセンターを建設する予定で、ドイツはその候補地の一つだ。独通信大手・ドイツテレコムとの業務提携についても、交渉が進められている。阿里雲はこのほど、米シリコンバレーデータセンターを開放したばかりだ。
阿里雲は欧州市場で、早くから提携先を模索していた。欧州の有名ゲーム会社のRovioは数日前に阿里雲と業務提携を決定し、ゲーム開発者向けのプラットフォーム「Hatch(孵化)」を共同構築することになった。阿里雲はクラウドコンピューティングとビッグデータ処理能力(Powered by aliyun)を提供し、Rovioが具体的な機能の構築と開発を担当する。
阿里雲はオランダの電機大手・フィリップスの戦略的提携相手でもある。双方は昨年10月、ITインフラサービス枠組み協定に調印し、クラウドコンピューティングおよびビッグデータ技術のモノのインターネットへの応用を共同推進し、より多くの伝統的な設備をネットワーク・クラウドコンピューティングに取り込む方針を明らかにした。フィリップスが欧米諸国以外の公共クラウドコンピューティングプラットフォームに、世界インターネット商品開発プラットフォームを配置するのはこれが初めてだ。
馬会長は、「IT企業が経営を長期的に維持するためには、インターネット経済と実体経済を結びつける方法を見つける必要がある。この方法とは、データのことだ。未来の世界は、石油ではなくデータによって動かされる」と述べた。