中露天然ガスパイプライン東線の中国国内の区間が、29日に正式に敷設工事を開始した。中露両国を結ぶ陸上エネルギールートの全線が、建設を開始したことになる。新華網が伝えた。
同区間は黒竜江省黑河市の中露国境地帯から始まり、上海市に至る。黒竜江省、吉林省、内モンゴル自治区、遼寧省、河北省、天津市、山東省、江蘇省、上海市を経由。新たに敷設されるパイプラインは3170キロを予定しており、既存の1800キロのパイプラインを活用し、地下タンクを建設する。
中国石油天然気集団公司は2014年5月21日、ロシアの石油天然ガス大手のガスプロムと、「中露東線天然ガス取引契約」を締結した。期間は30年。ロシアは2018年より東線を使い中国に天然ガスを供給し、供給量を毎年拡大し、最終的に毎年380億立方メートル供給する。中露両国政府の認可により、2014年8月と2015年5月に取引契約が発効した。
毎年380億立方メートルの天然ガスを輸入するならば、石炭燃焼と比べ二酸化炭素の排出量を1億6378万トン、二酸化硫黄を182万トン、窒素酸化物を46万トン、粉塵を84万トン削減できる。市場の初歩的なリサーチの結果によると、東線は東北地区、環渤海、長江デルタに天然ガスを供給することで、東北地区の天然ガスの不足を補い、北京・天津・河北の大気汚染の現状を改善し、長江デルタのエネルギー構造の調整を促進する。