スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、今年のノーベル医学・生理学賞を中国の屠呦呦氏、アイルランドのウィリアム・キャンベル氏、日本の大村智氏に授与すると発表した。寄生虫感染症治療の研究における成果を表彰するものだ。
屠氏の受賞理由はマラリアに関する新たな治療法の発見だ。中国の研究者が中国本土で行った研究でノーベル科学賞を受賞するのは初であり、中国医学界にとって過去最高の賞だ。今年のノーベル医学・生理学賞の賞金は計800万スウェーデンクローナ(96万ドル)で、屠氏はその半額を受け取る。女性のノーベル医学・生理学賞受賞は12人目だ。1960~70年代、極めて困難な研究環境の中、屠氏のチームは中国の他の機関と協力して、大変な努力を経て、『肘後備急方』など中国医薬の古典文献からインスピレーションを得て、アーテミシニンを発見し、マラリアの新たな治療法を築き、世界の数億人を「中国の神薬」により救った。アーテミシニンを基礎とする薬はすでにマラリア治療の標準薬物となり、世界保健機関(WHO)も基本薬品リストに入れている。