ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は上海市でこのほど、世界に向けて「モデルチェンジ中の中国科学研究」白書を発表した。同白書は中国の第一線で働く1700人以上の研究者を対象に、アンケート調査と面談を行った。データによると、長期的に中国を苦しめてきた「人材流出」が「人材回流(帰国)」に変化した。新華網が伝えた。
同白書によると、米国で理工系を専攻する中国籍の院生は、1987年の1万5000人から2010年の4万3000人とほぼ3倍に増加した。中国はこれにより、米国の理工系博士の最大の輩出国となった。高給と卓越した科学研究環境という魅力を受け、これまでは卒業生の大半が米国に残ることを選択していた。しかし「千人計画」などの海外人材招致計画は近年、十分な経費を持つ職場の提供、効果的な奨励制度により、多くのベテラン科学者の招聘に成功している。
調査対象となった博士課程在学中もしくはポストドクターの研究者は海外留学計画を持つが、うち85%が5年内に中国に帰国すると回答した。多くの科学研究者は、海外留学歴もしくは勤務歴は中国での就職や科学研究費の申請に有利だとしている。
同白書の作成担当者、シュプリンガー・ネイチャーの大中華区担当の劉珺氏は、「これは中国人留学生の出国の主な目的が単なる高給ではなく、研究の視野を広げ経験を積むことに変わったことを示している。力強い支持を受ければ、次の世代の科学研究者は中国で科学研究に貢献するだろう」と話した。