「皆さん、あけましておめでとうございます!」中国中央テレビの年越し番組「春節聯歓晩会」の広州サブ会場で、ロボットが全国の視聴者にあいさつし、さらに司会の役を買って出た。その後540台のロボットが歌手・孫楠のバックダンサーとなり、一糸乱れぬダンスを披露して衝撃をもたらした。羊城晩報が伝えた。
ロボットを開発した優必選公司の責任者によると、番組でスターとなったロボットには、アルファというという統一名称がある。製品名は「アルファ 1S」。これは二足歩行の人型ロボットで、身長はわずか39.8センチのみだが、自由に動かせる16の関節を持つ。そのため人の骨と体の動きを、本物さながらに真似することができる。
同日夜、540台のロボットは9×15台の4組に分かれた。各組のロボットが3つの異なる動きを行い、高い舞台効果を発揮できるようにするため、技術者は12種類のステップを設定した。上述した責任者は、「ダンスは5−6バージョン作り、70以上の動きのプログラミングを行い、最終的に12の動きを選んだ」と話した。
もう一つの難題は、遠隔操作だ。操作席から最も遠いロボットは、50メートル以上離れていた。そのため信号の伝送距離を延ばし、耐干渉能力を高め、ロボットの信号受信の敏感度を高める必要があった。またロボット操作ソフトの同期アルゴリズムを追加したことで、540台のロボットの動きの誤差をミリ秒級にする処理能力を確保した。
責任者は、「アルファ 1Sの開発には5年の期間を費やし、重要なサーボシステムの画期的な進展を実現した。アルファ 1Sの知恵は、ソフトとアプリの無限大の拡張に示されている。ロボットはiOSとAndroidの互換性を持ち、データリンクによりパソコンとつながることができる。ユーザーは専用ソフトにより自らプログラミングが可能だが、専門知識は必要とされない。そのため、さまざまな人の利用に適している」と語った。