中国の燃料電池自動車(FCV)は第10次五カ年計画の電気自動車「3縦3横」発展枠組み内に収められてから、十数年の蓄積を経て全体的な進展を実現した。海外ハイレベル人材招致「千人計画」専門家で、同済大学教授の章桐氏は、「中国のFCVは現在、完成車の動力システムと重要部品のコア技術をほぼ把握している」と述べた。科技日報が伝えた。
「メイド・イン・チャイナ2025」計画ではFCVの産業化について、2020年までにFCVを1000台前後生産し、モデル運行を行うほか、水素製造、水素補給などのインフラ整備を2025年までに完了し、FCVの地域的な小規模運行を実現することが明確に提起されている。これは中国のFCVが、世界とともに歩むことを意味する。
従来の電気自動車が産業化を実現した際と同様、FCVもバスが先駆者になる。23日に開かれた第13回中国国際交通技術・設備展覧会で発表された情報によると、国内大手バス製造企業は長年の経験開発を経ており、その燃料電池バスはモデル運行の基準を満たしている。
宇通客車は今回の展覧会で、自社製第3世代燃料電池バス「ZK6125FCEVG2」を発表した。同バスは国内外の成熟した燃料電池技術を集め、独自の知的財産権を持つ燃料電池動力システムを搭載。25.5キロの水素燃料タンク注入にかかる時間は10分のみ。航続距離はカタログ値で600キロ以上。前世代の製品と比べ、同バスのコストは半減した。
同社は今年下半期に鄭州市で、燃料電池バスのモデル運行を実施すると表明した。
同社以外のバス製造企業も、燃料電池バスの取り組みを進めている。福田客車はこのほど、国内レンタカー業者から燃料電池バス100台の受注を獲得したと発表した。これは燃料電池バスとしては世界最大規模の受注となる。
しかし業界内の専門家は、技術的問題の解消は、依然として中国製FCVの長期的な課題だと強調した。同済大学自動車学院院長の余卓平氏は、「信頼性とコストの問題は、FCVの発展を妨げる重要な要素だ」と述べた。