国家統計局、中国科学技術部(省)、中国財政部(省)がこのほど、「2015年全国科学技術経費投入統計公報」を発表した。データによると、中国の2015年の研究開発費は、前年比8.9%増の1兆4169億9000万元(1元は約16円)に達し、2011年より倍増し米国に次ぐ世界2位となった。科技日報が伝えた。
中国科学技術発展戦略研究院科学技術統計・分析研究所副所長、研究員の玄兆輝教授は、科技日報の取材に対して「これは国家革新能力の重要指標の一つである、研究開発費の対GDP比が2.07%に達し、前年比で0.05ポイント上昇し、第12次五カ年計画期間(2011−15年)で累計0.36ポイント上昇し、高い成長率を維持したことを反映した」と述べた。
中国科学技術発展戦略研究院副研究員の陳鈺氏は「中国の研究開発費は世界2位になったが、米国の半分にも満たず、全体的に見ると日本と同じく二番手につけている。中国の2.07%という研究開発費の対GDP比も、第12次五カ年計画の2.2%という発展目標を0.13ポイント下回り、主な革新型国家と比べ大きな差がある。2014年の数値を見ると、米国は2.74%、ドイツは2.84%、日本は3.59%、韓国はさらに4.29%だ。第13次五カ年計画は2.5%という発展目標を打ち出したが、近年の我が国の研究開発費の成長ペースからすると、この目標の実現は困難だ」と話した。
玄氏は「企業は研究開発活動の主体だが、その基礎研究費が企業の研究開発費に占める割合は0.1%ほどだ。しかし主要革新型国家は5%以上。基礎研究費の拡大は、国家のオリジナル技術の革新を増やし、企業の革新能力を高める重要な支えであり、重視されるべきだ」と特に強調した。